マンガ家・安野モヨコといえば「シュガシュガルーン」「さくらん」「働きマン」「オチビサン」など、多くの作品がアニメ化・ドラマ化されていますが、初期の代表作といえば、やっぱり「ハッピー・マニア」ではないでしょうか?
いまからおよそ25年前。
「ハッピー・マニア」のぶっ飛んだハイパー・テンションのラブ・ストーリーは同世代女子の心を鷲づかみにしたものです。
主人公のシゲカヨは、いつも究極の理想の男が自分をしあわせにしてくれるはず!!と、日夜、恋をしまくります。
しかし、彼女が引くのはいつも事故物件ばかり。
ストーカーされたり、ストーカーになったり、働かない男に文無し男に尽くしたり、三股事情に巻きこまれたりしつつも、最終的には浮気ばかりする自分を棚にあげて、いつも一途に愛してくれる、超真面目でエリートなタカハシと結婚したのでした。
それから25年。帰ってきたのは、中年期を迎えたシゲカヨたちの後日談!! (笑)
彼女たちと一緒に年を重ねた私自身と、そのまわりにあふれている結婚・恋愛事情とぴったり合わさって、相変わらず、すっごくリアルに楽しめます。
刺激とテンションだけで恋に落ちることのできる時期が過ぎて、毎日の生活の中で男と女が互いに求める癒しと安らぎ。マンネリとすれ違い。
男は究極に癒やしてくれる女を求めるけれど、女だって包みこんでくれる男が欲しい!!
というわけで「じゃあ、どうしたらいいのさ」とシゲカヨは45歳になっても、あいかわらず、何ひとつ悟ることなく、タカハシから離婚を切り出されて、新たな自分探しに出る…のか!?
安野モヨコが描き出すのは、いつだって上っ面の美しい世界や、理想化された世界ではなく、毎日の生活の中でもがく私たちの本音や欲望といったリアリティ。
女友達と集まって、知人たちの噂話や悪口に盛り上がってしまうような、心のなかにあるものをさらけ出させてくれるような、爽快感があるのです(笑)
40~50代の女性なら、きっと共感できるかもしれない!?
2020年の彼らのリアリティを垣間見てください!