『獣の奏者』 / 著 上橋菜穂子

わたしが強くオススメする上橋菜穂子さんの世界。
そのなかでも、やっぱり「獣の奏者」は外せません。
強く強くオススメする本です。

ホント、読んで欲しい‼︎

「獣の奏者」は①〜④と外伝を入れて5巻ですが、もともとの物語は④で完結です。
もちろんファンタジー‼︎

「狐笛のかなた」で上橋菜穂子さんの本に出会い、片っ端から読みました。
そして「獣の奏者」に心をわしづかみされ、上橋さんの描く世界観がわたしにすごく影響しているのを感じています。

①〜④まで、ずっとドキドキします。
最初から最後まで、ドキドキしっぱなしです。

えーーーー⁈ えーーーー⁈

と言いたくなる場面が何回も出てきますよ。

 

主人公は、闘蛇衆(とうだしゅう)の村で育った少女エリン。

エリンの生まれ育った村では、闘蛇を育てています。エリンのお母さんは、獣ノ医術師です。闘蛇を診るのが仕事です。

ファンタジーなので想像上の生き物が出てきます。
上橋さんの言葉は、想像力を掻き立てるんですよね。

なので、わたしの頭のなかには、この物語に出てくる獣は、しっかりとイメージされています。肌の感じとか表情や大きさや色など。

それも上橋さんの文章力の凄さです。

闘蛇は、王国の王のものなので、なにかあったら大問題に。
そして、エリンのお母さんはその責任を取らされることになります。

それによって、心に大きな傷を負ったエリンもお母さんと同じ道を歩むことに。
獣ノ医術師になり、もうひとつの獣・王獣の医術師となります。

誰もが考えつかなかったことをエリンはやってのけ、誰もが恐れて手を出さなかったことに、エリンは手を出します。

ただただ王獣を想いやる気持ちがエリンを突き動かし、誰になんと言われようが、大事なものを守る強さをエリンは持っていました。

もうね、そのひとつひとつの言動に心が震えるんです。

 

エリンは、ひとりの女性としての幸せなんて、まったく考えていなかったんじゃないかな。

そんな彼女が恋をします。
恋なんていう甘いものとは、まったく違います。

エリンと彼女が関わっていくイアルとの関係もたまらないんですよ。
こうやって書きながらも涙が溢れてきます。

心に深い深い傷を持った二人の信頼と育みと絆と痛み……。
自分をしっかり生きることで、相手を支え、そして共に生きる姿が、健気でたまりません。

自分の感情を超えて、自分の使命を生きるエリン。
自分の幸せと大義の間で揺れ動くエリン。
それを支えるイアル。

王獣は、育てるのも接するのも、とてもとても難しい獣。
王獣と向き合うエリンの考えや態度には、学ぶことがたくさんあります。

自分の運命から逃れることなく、真摯に向き合うエリンの姿は、どう生きたいのか分からなくなった大人たちに、一石を投じるのではないでしょうか。

そして、本当に大切なものはなにか、生きるとはなにか。
そんなこともこの物語を読むにつれて、考えさせられます。

ラストに近づいていくと、もうすぐこの物語が終わってしまうという寂しさと、どうなるの?という分からなさとで、感情が揺さぶられっぱなしです。

読み終わったときには、なんていう素晴らしい世界を見せてもらったんだ……という気持ちになると思います。

人は、惹かれて夢中になるものに深く関わっていくことが、その人の使命なんじゃないかと思わせてくれる作品です。

「獣の奏者」この美しい物語を生み出してくれた上橋菜穂子さんに感謝します。

獣の奏者

獣の奏者
著 上橋菜穂子
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