友達の輪 仲村渠 夏江さん

わたしたちの楽しみでドキドキのチャレンジ「友達の輪」へようこそ!

「普通の毎日を生きる面白い人たち」をクローズアップして、その生き様をご紹介させていただきます。そして、その人から、また別の方へ……ざまざまな個性と魅力に富んだ方々と出会えることを楽しみにしています。

 

第13回目のゲストは、仲村渠 夏江(なかんだかり なつえ)さん‼︎

永井愛弓さんからのご紹介です。

ピースボートで出会った子で、日系ペルー人です。子どものときに家族で日本に来て、スペイン語が母国語なんですけど、ほんとにパワフルで、あたたかいエネルギーに溢れていて、いまペルー料理のレストランを東京でやっています。

 

 

真理
真理

お名前といまどんなことをされているかを教えてください

夏江さん
夏江さん

仲村渠夏江(なかんだかりなつえ)です。主人と共同経営者の友人と3人で、ペルー料理レストランを経営しています。そこでソムリエとバーテンをやっています

真理
真理

お酒の担当なんですか?

夏江さん
夏江さん

そうですね。フロアのスタッフの管理とバーの管理をしています

真理
真理

ペルー料理をされているということなんですが、どんなこだわりがあって始められたんですか?

夏江さん
夏江さん

ペルー料理って、すごく美味しいんだけど、日本ではまだまだ知られていないんです。主人もわたしもペルー出身の日系三世で、昔からの友人の共同経営者と3人でやっているんですけど、、、みんなぜんぜん違う畑にいたのを脱サラして、ペルー料理屋を始めました。こだわりと言えば、本格的な美味しいペルー料理を日本で広めたいというのがコンセプトですね。あと本物にはこだわっているんですけど、日本の旬の素材とか日本ならではの品質の高い食材を使って、本格的なペルー料理を作るのがコンセプトです

真理
真理

料理はどなたが作っているんですか?

夏江さん
夏江さん

主人がシェフです

真理
真理

夏江さんは、いつまでペルーにいらっしゃったんですか?

夏江さん
夏江さん

わたしは10歳から日本に来たんですけど、両親と一緒に日本に来て、小学校4年生から日本ですね。主人は17歳くらいで日本に来ています

真理
真理

夏江さんにとって故郷の味となったらペルーの食事ですか?

夏江さん
夏江さん

そうですね。日本に来てからも家庭のなかでは母親はペルー料理を作ることが多かったので、故郷の味ですね

真理
真理

ご主人との出会いのお話とか聞いてもいいですか?

夏江さん
夏江さん

ひとつ上の兄がいるんですけど、もともとは兄と主人が友達だったんです。日本にいる日系ペルー人が集まってできた会があって、それでうちの兄と主人が出会って。その繋がりで、最初はずっと友人関係でした

真理
真理

そうなんですね。出会ってから長いんですか?

夏江さん
夏江さん

長いですよ。結婚して12年になるんですけど、その前も6年くらいは友達でしたね

真理
真理

出会って長いですね

夏江さん
夏江さん

恋愛関係になったのは、入籍する10ヶ月前ぐらい

真理
真理

わー!お友達から恋人になって、すぐ結婚‼︎ おふたりともペルー料理のレストランをしたいという思いがあったんですか?

夏江さん
夏江さん

主人の方がそういう思いを長いこと持っていたみたいで。2人とも食べるのがすごく好きで、主人はIT関係の仕事をしていたんですけど、自分たちが自信を持って、納得いく、日本人の友達にも紹介できるペルー料理屋が、東京ではすごく少なかったんですよ。だから作っちゃったって感じですね

真理
真理

そういう流れなんですね

夏江さん
夏江さん

きっかけとしては、わたしの両親は2012年ごろに退職したんですね。老後はペルーで過ごそうという計画がずっとあったので、2012年に両親はペルーに完全に帰国しまして、そのときにわたしと主人も一緒に行ったんです。現地で見たペルー料理の進化というか、いまペルー料理って、日本ではまだまだ遅いんですけど、20年ほど前から世界ではグルメの人たちには、知られるペルー料理ブームというのが起こっているんです。ロンドンとかアメリカのニューヨーク、ロサンゼルスとか世界の主要都市ではペルー料理屋さんが、どんどんできているところなんですけど。ペルー現地でもレストランシーンというのが、すごく進化していて、ペルーは国をあげて自分たちの料理文化に誇りを持っているというムーブメントが起こっているときで。2012年に久しぶりにペルーに帰ってそれを見て、日本でも早くやらなきゃいけない!となって。前から思っていたものが現地で見て触発され、その旅から戻ってすぐに開業の準備をしました

真理
真理

へぇー‼︎ 2012年ぐらいにオープン?

夏江さん
夏江さん

2012年ペルーに行って、帰ってから主人はすぐに会社に退職届けを出して、2ヶ月後には仕事を辞めて、場所探しからですよね。2013年の3月にオープンしました

真理
真理

ご主人は、それまで料理はされていたんですか?

夏江さん
夏江さん

プロとしては、日本ではなかったんですけど。ペルーでは主人の実家がずっとレストランをやっていたというのもあって。主人は日本ではずっと全然関係ない仕事をしてたんですけどね。でもやっぱり美味しいペルー料理を紹介したいという思いで、食べることも好きだし、実家はずっとレストランを経営していたし……というのもあって、踏み込んだ感じです

 

 

真理
真理

そういう流れなんですね

夏江さん
夏江さん

最初は経験のあるシェフをペルーから連れてきたんですよ。ビザとかも取得して。2年くらいでそれが色々うまくいかなくなって、シェフはペルーに帰ることになって、代わりを探そうと思ったんですけど、主人ができちゃうじゃんということで。主人がメインシェフになってからは、軌道にも乗って、色々と改善されて。自分たちの思い通りにできるし、すごく器用なので今もオーナーシェフとしてやっています

真理
真理

お店のこだわりとしては本物ですか?

夏江さん
夏江さん

そうですね。プレゼンテーションにもすごくこだわっているので、目でも楽しんでいただけるような盛り付けもしているんですけど。ペルーのどのレストランと比べても劣らないくらいの、それ以上に綺麗だと思います

真理
真理

凄い‼

夏江さん
夏江さん

ちょっと洗練された形を見せると、お客様から、日本人向けにアレンジしているのか?とか、日本人の口や好みに合わせてるのか?という質問を受けるのですが、それに対する答えはいつも同じで、味を合わせていることは一切なくて、ペルー人のお客様に来てもらっても、故郷の味を感じてもらうのが一番の前提ですと

真理
真理

へぇー!

夏江さん
夏江さん

そこにさらに日本の旬の食材とか品質の良い、例えばペルーでは絶対使えない和牛を使ったりだとか。調理法とか味付けは現地そのままというのでやっています

真理
真理

ペルーに行ったことないんですよ。ペルーに行ってきた友達から話を聞いたことがあるくらいで。食べ物っていったら、豆とかをたくさん使うイメージで

夏江さん
夏江さん

そうそうそう(笑) 豆とか芋のイメージなんですよね

真理
真理

そう、イメージなんですよね

夏江さん
夏江さん

ペルーって、特に都市部、首都がリマもそうなんですけど。太平洋に面しているんですね。なので魚介類もすごく豊富だし、豆というのは食べるんですけど、そんな日常的な食べ物ではなくて、週に1回出てくるか出てこないかぐらいの。主食はお米ですし、お肉は何食べるのって聞かれるんですけど、なんでもあるよっていう。魚介類も太平洋の寒流と暖流の交わるところにちょうどあるので、魚介類の豊富さでいえば、日本以上にいろんな種類のものがとれるんですよ

真理
真理

そうなんですねー

夏江さん
夏江さん

タコも食べますし、貝類も食べますし、ウニも食べますし。肉といえば、豚、牛、鶏だけではなくて、山羊肉があったりだとか、地域によっては鴨も食べますし。わたしたちはリマ出身で、結構都会っ子なんですけど(笑) ペルーも地形に富んでいるので、アマゾンに行けば、ペルー人でも未知の食材がたくさんあるし、アンデスの方に行くとスーパーフードが沢山あります。食材が豊富というところから、ペルー料理の文化がすごく発達しているというのもあるので、そういうところがちょっと面白いかなと思います

真理
真理

食べてみたい

夏江さん
夏江さん

豆だけじゃないんです(笑)

 

 

真理
真理

ほんとそうですね。全然知らないだけなんですよね。ペルー料理、わたしは食べたことないのかもしれない

夏江さん
夏江さん

8年目ですが、やっぱりいまでもペルー料理って想像できなかったけど、こんなに何でもあるんですねって、口に合うという感想がすごく多くて、そこで日本人に合わせているのかという質問になるんですけど。日本人が食べて美味しいと思うだけじゃなくて、どこの国の人が食べても、親しみやすい味で美味しいと感じると思うんですよね

真理
真理

うんうん

夏江さん
夏江さん

とくにすごくスパイスの癖が強いというのもなくて、スパイスもコリアンダーもふんだんに使うんですけど、偏りがないというか、バランスが取れている。いろんな味が中和されて、それが多分どこの国の人が食べても美味しいっていう結果に繋がっていると思います

真理
真理

食べてみたい‼︎

夏江さん
夏江さん

ぜひ‼︎ 真理さんは、どこに住んでいるんですか?

真理
真理

宮崎なんです

夏江さん
夏江さん

宮崎県。ペルー料理はちょっとあれですかね

真理
真理

うん、宮崎にはないような気がする。都会に行かないと(笑)

夏江さん
夏江さん

機会あったらぜひ‼︎

真理
真理

行きたい! 東京のどちらにお店はあるんですか?

夏江さん
夏江さん

原宿です。原宿というよりも神宮前というところなんですけど。裏原宿とか神宮前って言われている場所ですね

 

 

真理
真理

夏江さんと愛弓さん(前回のゲスト)はピースボートで出会ったと聞いたんですけど、夏江さんも旅が好きなんですか

夏江さん
夏江さん

そうですね。旅好きです。お店をやってからは、なかなか海外へ行く機会は減ったんですけど。ピースボートでも3ヶ月間かけて20ヶ国くらいまわったこともありますし、あとはピースボート以前には、旅行の専門学校に行ったんですけど

真理
真理

旅行の専門学校?

夏江さん
夏江さん

ホテル科と旅行学科の専門学校を卒業して、最初に勤めたのが旅行会社でした。手配旅行をやる会社で。すごく面白かったんですけど。JTBとかH.I.Sみたいな大きな会社の最初からパッケージ旅行があってそれに申し込みをするのではなく、専門旅行をやっているちっちゃな会社だったんですよ

真理
真理

うんうん

夏江さん
夏江さん

例えば、おもちゃ産業の人たちが、こういう視察旅行を作ってほしいと言われたら、ヨーロッパでおもちゃ業界の企業を視察する旅を作ったりとか。酪農研修でニュージーランドを訪れたりとか。専門旅行をやっているところで、その旅行会社時代から海外に行く機会は多かったですね

真理
真理

どこの国が印象的でしたか?

 

 

夏江さん
夏江さん

全部でたぶん40ヶ国くらい行っているのですが、キューバに2回行ってるんです。1回目は仕事でその旅行会社時代で、2回目は新婚旅行でキューバに行ったんですよ

真理
真理

へぇー! 新婚旅行でキューバ

夏江さん
夏江さん

キューバで、衝撃的というのはやっぱり社会主義のレベルが全然違うのと、同じ母国語、スペイン語なので言葉が通じるのに、ここまでカルチャーショックを受けることがあるんだっていうところが面白かったです

真理
真理

どんなカルチャーショックがありました? ビックリしたこと

夏江さん
夏江さん

みんな働いても同じ給料しかもらえないから全然頑張らない(笑)

真理
真理

アハハハ!

夏江さん
夏江さん

サービス業という概念がない。レストランとかホテルに行ったら、それはサービス業の一部なんだろうけど、そういう概念自体が違うんですね

真理
真理

新婚旅行にキューバを選んだ理由は?

夏江さん
夏江さん

主人もわたしもキューバ音楽とキューバの踊りが好きでよくラテンクラブに踊りに行っていたんですよ。ラテンアメリカ文化を見てもキューバだけは個性的な面白さ、時が止まっている部分と、社会主義がね、歴史がまったく異なるっていうところにも興味惹かれて行きました

真理
真理

逆にいうと、頑張らなくても生きていけるんですもんね

夏江さん
夏江さん

そうですね。だから職業なにをやっているかっていうとミュージシャンがやたら多い

真理
真理

アハハハ! 自分の好きなことをやってる

夏江さん
夏江さん

うーん、でもそのなかでも現地に行くと、やっぱり本音を話せないんですよ。一部、洗脳されている部分もあれば、政府に対して不満を言うこと自体がタブーとされているので。そのなかでの頑張らなくても生きていけるというのが本当に幸せなのかなって思わされたりとか、いろんな複雑な思いを持って帰ってきましたね。一回目も二回目も

真理
真理

そっかー

夏江さん
夏江さん

はじめて行ったときはお客さんを連れて行って、泊まっていたホテルのなかのシェフと話す機会があったんですよ。お客さんが食事に飽きたら、日本のお米を持ってて、おにぎりを作ってあげたりとか、蕎麦を振る舞ったりとかそういうことをやる旅行会社だったので

真理
真理

へぇー!親切

夏江さん
夏江さん

お客さんは旅の5日目くらいで日本食が恋しくなるから、いつも米と炊飯器を持参で旅に行ってたんです。夜食にお蕎麦を振る舞おうとして、ホテルのキッチンで準備していたら、シェフが余った蕎麦を欲しいって言うのであげました。やっぱりものが自由に買えないみたいで。「うちの子供はグルテンアレルギーだし、小麦粉を使っていないんだったら、この麺を食べさせたいんだ」って。すごい目をキラキラさせながら「こんなのキューバにはないし、グルテンが食べられたとしても、配給所から買えるものが限定されているから、家ではそんなに麺類を食べられないんだよ」って。会話はすべてスペイン語で、そのときは周りに気になる人がいなかったので、いまだと思い「あなたはキューバに住んでて幸せ?」とか「カストロ政府のこと、どう思うんだ?」とか聞いたんです。そしたらすごくキョロキョロしはじめて「それは、それは言えないよ。そんなこと聞かれても困るよ!」って。

真理
真理

へぇーーーー、ザワザワする。ふー衝撃的だ

夏江さん
夏江さん

だから結構、そういう意味では衝撃的だったんです

真理
真理

夏江さんは、どんなことを大事にしてますか?

夏江さん
夏江さん

自分の理想ですが、いま大事にしているのは、スタッフの教育?教育という言葉は使いたくないんですけど、一緒に働いている仲間、全員がより豊かな人生を送れるようになればいいな、って思います。一緒に仕事していくなかで、お互いに成長して、働く楽しさとか。生きていることの幸せを感じれるような職場環境を作りたいです。もちろんペルー料理を広げたいんですけど、一番の目的はそれですかね

真理
真理

うんうん

 

 

夏江さん
夏江さん

一緒に働いた人たちが、一生うちで働くわけではないから、いずれは去っていくんですけど。去っていくときに、ここで働けて自分の人生はより豊かになったなとか、良い出会いがあったなと思ってほしいです

真理
真理

夏江さんにとっての人生の豊かさとか、働く喜びってどんなときに感じますか?

夏江さん
夏江さん

やっぱり家族と、家族のような近い感覚の友達と一緒にいるときですかね

真理
真理

あー人なんだね

夏江さん
夏江さん

そうです。人です。一緒に働いてる人たちが、主人や、春子やわたしと関わることで、幸せだなって感じてくれたら、わたしも幸せです。
わたしは夏江で、一緒に経営している友達は、はるこというんですけど

真理
真理

夏と春!

夏江さん
夏江さん

そうなんです。主人と春子がもともとサルサをやっている頃の友達という長い付き合いで、いまは一緒に経営しているんです。彼女は、もともとわたしたちの友達だった、日系ペルー人と結婚して、いま2歳の娘がいるんですけど、その2歳の子は、わたしがゴッドマザーで、主人がゴッドファザーなんですよ。かわいくてしょうがないんです

真理
真理

わー!うんうん、かわいい

夏江さん
夏江さん

幸せとか、よかったなーと思うのは、やっぱり大事な人たちと楽しいことをしているときですね。毎日それは思います

真理
真理

自分だけが楽しくなることよりも、周りの人たちと一緒にそれを感じたいというのが夏江さんのなかでは大きいんですね

夏江さん
夏江さん

日常のなかでは毎日そういう場面はたくさんあって、あとはお酒飲んでいるときですかね(笑)

真理
真理

うんうん、お酒はなにが好きですか?

夏江さん
夏江さん

なんでも好きですけど、焼酎だけはあまり飲まないですね。ソムリエ試験に向けていっぱい勉強したのもきっかけでワインを一番飲むんですけど。あとは音楽聴いているときとか踊っているとき、歌っているときも幸せですね

真理
真理

踊ってるとき、歌っているとき、お酒! うんうん楽しいね。人生の豊かさや楽しさには必須ですよね。音楽とお酒

夏江さん
夏江さん

そうです!でもそれをひとりでやっててもしょうがないんですよ。やっぱり人がいてですね

真理
真理

うんうん、そうですね。夏江さんの人生のターニングポイントはいつですか?

夏江さん
夏江さん

ターニングポイントはいっぱいあるんですけど。一番最近でいうと店をオープンしたときです

真理
真理

2013年

夏江さん
夏江さん

そうですね。大きいターニングポイントでいうと、日本に来たときとピースボートに乗ったときと、あと結婚したときと、最近では店をオープンしたときですかね。やっぱり安定が約束された生活から一変して

真理
真理

そのときってどうでした? 怖くなかったんですか?

夏江さん
夏江さん

もともと怖いもの知らずな性格があるから、最初は怖いとは思わずに。自分の旦那が仕事を辞めてこれをやりたいんだって言ったら、奥さんが止めたりすることもたくさんあると思うんですけど、わたしは「早くやればいいじゃない!」って言って

真理
真理

アハハハ!

 

 

夏江さん
夏江さん

逆にさっさとやればいいって押してましたね。自分にそのとき安定した仕事があったというのもあるんですけど。わたしはタイミングがいいんです。天に守られているというのは昔から感じていて。すごいピンチになったりはするんですけど、ピンチのときにタイミングよく、なんか降ってくるっていうか。お店の方を集中してやりたいなと思っているときに、わたしの仕事は外資系の仕事ですごく安定していたはずなのに、日本支社をなくすから一斉リストラみたいなのになったんです。本来は自分の都合で辞めようと思ったときに、有給休暇が普通に消化できる条件と、プラス退職金が出たりとか、そういうタイミングにいままで多々ありましたね

真理
真理

ほんとにそっちへ行きなさい、そっちへ行きなさいという感じの祝福がくるんですね

夏江さん
夏江さん

はじめるときは、そんなに怖くなかったんですけど、やっぱりオープンして自営業の厳しさというのが。2年くらいは色々きつかったですね。でも潰れることなくやってこれたので、幸せですね

真理
真理

その厳しい状況のときは、どうやってそれに向き合うんですか? 乗り切り方というか

夏江さん
夏江さん

必死でしたけど。いま思えば、やっぱり家族の絆。すごい喧嘩して、もうやっていけないってなることもあるんですが。最後にやっぱり頑張らなきゃってなるのは、夫婦としての愛情があるというのと、もうひとりの共同経営者。普通だったら一緒にそんなビジネスなんてやっていけない!ということなんて、いっぱいあるんですよ。お金も絡んでくるし。でも家族としての強い絆があるから、喧嘩しながらも波乱万丈いろいろあったとしても、結局は戻って分かり合えるのだと思います

真理
真理

うんうん。そのときにいっぱい話すんですか?

夏江さん
夏江さん

話しますよ

真理
真理

それぞれが、思っていることを

夏江さん
夏江さん

そうですね。わたしも主人もそういう面では、あまり日本人ぽくないというか。愛弓が言ってた情熱(笑) 思ったことは黙ってられないタイプなんで。ワーーー!!!ってラテンのメロドラマみたいな喧嘩もします(笑)

真理
真理

それで乗り切ってきたんですね(笑) ターニングポイントのひとつとして、小学校のときにペルーから日本に来たというのは、大きな出来事だと思うんですよね。最初どうでした? ペルーと日本、まったく違うでしょう?

夏江さん
夏江さん

そうですね。わたし、他の人に比べて、日本に来る以前の記憶があんまりないんですよ

真理
真理

ペルーにいた頃の記憶が?

夏江さん
夏江さん

うん、家ではスペイン語を話すことが多かったので、言葉は忘れていないですけど、出来事とか学校がこうだったとか、あんまり覚えてない。というのは、たぶんその変化が著しすぎて、ついていくというのに必死で、余計な記憶はどっかにしまわれちゃったんですかね

真理
真理

うんうん

夏江さん
夏江さん

ペルーでは、カトリック教の女子校に行ってたんですよ

真理
真理

ペルーって、カトリックなんですか?

夏江さん
夏江さん

ラテンアメリカは、カトリックが多いんです。スペインの植民地だったので。ラテンアメリカは社会階級がはっきりしているので、本当にはっきり貧困層と中流階級と、中流階級のなかでも下と上があって、すごいハイクラスな人たちがいるんですけど。ペルーは公立の教育は日本ほど発達していなくて、やっぱり中流階級の下でもなると、私立の学校に行くんです。教育の選択肢が日本よりすごく幅広いと思うんですね。なので、うちも金持ちではなかったんですけど、私立のカトリックの女子校に行ってたんです。日本に来て、小学校4年生で、私服を着て、服装は自由なのに、なんでカバンはみんな一緒じゃなきゃいけないんだ。なんだこのランドセルはってのは思ってましたね。いまでも思うんですけど(笑)

真理
真理

あー、うんうん、そうですよね

夏江さん
夏江さん

よく分からないことがいっぱいありましたね。前の席の女の子が隣の男の子に、ちょっといじめられているというか、強い言葉でけなされていたというか。わたしには分からないんですよ、言葉が分からないから。でも軽く暴力みたいな「なにすんだよお前!」みたいな感じでやっていたと思うんですよね。パシッてやられたのが衝撃的で、わたしはその男の子の顔にパンチしたんですよ

真理
真理

アハハハ!

 

 

夏江さん
夏江さん

そしたら、親はやっぱり呼ばれますよね。その男の子が泣いちゃって。女の子のことををパシッてやった!って言ったら、それでも殴っちゃいけないと言われて(笑)

真理
真理

正義感が強いんですかね

夏江さん
夏江さん

たぶん衝撃だったんですよね。ペルーの学校に男の子がいなかったので、わたしの周りの男の子って、お兄ちゃんと従兄弟たちで、絶対に女性に手をあげちゃいけないというところから来ていますから、反動でそんなことはありました

真理
真理

おもしろいー!

夏江さん
夏江さん

たぶん、言葉は分からなくても楽しくやってましたよ

真理
真理

言葉は、日本に来て?

夏江さん
夏江さん

日本に来る前に半年くらいペルーでは、日本語の基礎みたいなのをプライベートの先生のところに、お兄ちゃんと通わされて、ひらがなとカタカナと簡単な挨拶は覚えてきたんですけど。いま思えば、英会話教室とかもそうなんですけど、無意味なことを教えますよね。「はじめまして、わたしの名前はなんとかです」って、絶対に使わないやつ(笑)

真理
真理

使わないやつね(笑) ほんとだよね

夏江さん
夏江さん

そういうのは覚えてきたんです。でも普通に学校に通って半年くらいで日本語は吸収して話してましたね

真理
真理

スペイン語と日本語と英語が話せるんですか?

夏江さん
夏江さん

英語は、専門学校時代の3年のうち1年間、ワシントン州のシアトルに留学して。それで英語は一応問題なく話せるようにはなったんですけど

真理
真理

愛弓さんもいまスペインに住んでいるから、同じ言語で話せますね

夏江さん
夏江さん

愛弓はね、言語能力にすごく長けているから、ちょっとあの人は変態ですね(笑)

真理
真理

自分でも言ってた(笑)

夏江さん
夏江さん

すぐ言語を習得する能力が彼女にはあるので

真理
真理

これからやってみたいこととか、こんな想いを形にしたいとか、なにかありますか?

夏江さん
夏江さん

いっぱいあるんですけど。レストランと別の活動で「日本ピスコ協会」というのをやっているんですよ

真理
真理

なんですかそれは

夏江さん
夏江さん

ピスコっていうのはペルーのお酒で、葡萄の蒸留酒なんですけど、ペルーの代表的なお酒なんですね。日本ではまだまだ知られていないので、ペルー関係の仲間とかレストランの仲間6人で立ち上げたんです。社団法人作って、一応わたしが会長なんですよ

真理
真理

やっぱり、パワフルだ‼︎

夏江さん
夏江さん

ソムリエ試験で勉強して、ワインの知識は少しあるのと、同じ葡萄繋がりなので、ピスコを広めたいんです。発足したのは1年半前くらいで、まだ2年経ってないんですけど、その1年半の間でピスコの知名度が上がったという感触はたしかにあるので。ペルーとは全然関係ないところで広めるのが目的で、どのバーにもウォッカ、テキーラ、ラムがあるように、そこにピスコを並べたいですね

 

 

真理
真理

どんな活動をするんですか?

夏江さん
夏江さん

地道にバーに行って、普通に飲んで「ピスコって知ってますか?」って(笑)

真理
真理

へぇ‼︎

夏江さん
夏江さん

ピスコってのは、バーテンダーさんとか、プロの人だとだいたい知っているんですよ。知っているけど、まだ流通網が確立されてなくて、入手方法が分からないのと、やっぱり一般のお客様の需要がなくてなかなか売れないからというので、全然普及しないんですよね。なんで流通網が確立しないかというと、いままでペルー関係の食材を輸入している人たちが、ついでにピスコも入れとくかっていう感じで、ペルー料理関係のところにしか出てないというのがいまの現状で、輸入会社さんもピスコを売るためにっていう営業活動を一切しないんですよ。なので、代わりに営業しています

真理
真理

面白い(笑) 話を聴いていて、志の人だなっていうか、営業の人もピスコにそんなに思い入れがないから力が入らないだけですよね

夏江さん
夏江さん

たくさん商品があるなかでのピスコを置いているだけで、それがそんなにね

真理
真理

でも、夏江さんにとっては、ピスコなんでしょ?

夏江さん
夏江さん

ピスコは、だって知ると歴史もすごいロマンありますし

真理
真理

それ教えてほしい

夏江さん
夏江さん

ピスコの話しちゃうと止まんない(笑) 一番分かりやすいところでいうとアメリカ大陸における葡萄作りとワイン作りはペルーから始まっているんですよ。ペルーの港は玄関口だったので、スペインの入植者は、みんなそこから出入りしてましたし、もともとペルーのインカ帝国が築かれた金とか銀のためにスペインの入植が多かったんですね。鉱山ですごく取れるし、資源がすごく豊富なので、金とか全部持ってかれっちゃったんですけど。そういう理由もあって、葡萄作りって、いまチリワイン、アルゼンチンワインが世界に出てるんですけど、みんな知らないのは、ペルーの方が歴史が古いと。なんでかというとペルー人は商売がすごく下手なんですよ。目の前のお金とかに弱いので(笑) なのでチリワインもペルーで栽培された葡萄畑をチリの企業が牛耳って、ペルーで作った葡萄をチリワインとして売ってたりとか

真理
真理

へぇー!そうなんだ‼︎

夏江さん
夏江さん

お手頃な日常のデイリーワイン、チリワインがいっぱい出てますけど、ペルーの葡萄の可能性もあります。昔はペルーのワインの出来が良すぎてパナマに輸出され始めたんです、16世紀くらいに。それを、スペインのワインが売れなくなるとスペイン王が恐れ、、ペルーにワイン造りを禁じたんですよ

真理
真理

えーーーー‼︎

夏江さん
夏江さん

ワイン造り禁止令が出て、ワイン作っちゃいけないけど、葡萄畑がいっぱいあるし、実際に葡萄ができているのにどうするんだっていうことで、ピスコの蒸留が盛んになったんですよね

真理
真理

知らなかった‼︎ そんな歴史があったんですね

夏江さん
夏江さん

グラッパとか聞くじゃないですか、グラッパはイタリアのお酒なんですけど。あれは葡萄を潰したあとの絞りカスで作る蒸留酒なんです。葡萄由来なので、ピスコもちょっと似ているんですが、ピスコは、絞りカスじゃなくて、葡萄の果汁、葡萄の実を全部使って、それでワインを醸造してワインの状態から蒸留しているので、グラッパに比べるとすごく深みというかまるみがあって、まろやかなんですね

真理
真理

飲んでみたい、アルコール度数は?

夏江さん
夏江さん

度数的には、スピリッツなので40度前後あるんですけど。42、3度くらいのピスコと42、3度くらいのグラッパを飲むとぜんぜん違います。非常に香りが豊かなので、香水みたいに楽しいながらチビチビ飲む

真理
真理

そのまま飲むんですか?

夏江さん
夏江さん

ストレートで飲むのが、わたしは好きですけど。ピスコサワーというのが、ペルーでは一番有名なんですよ。ピスコサワーは、ピスコとライム果汁とお砂糖、シロップと卵白が入ります。それをシェイクしたカクテルが、ペルーの代表的な。ピスコサワー自体は、世界では結構有名になってきてて、日本でもホテルのラウンジやバーだとあるんですけど。それもね、ピスコサワー・パトロールというのが活動のひとつでして、ちょっとこれ違うぞって(笑)

真理
真理

アハハハ!

夏江さん
夏江さん

ペルーのピスコサワーを飲んだことないのに、適当なインターネットのレシピを見て作っちゃってるところもあるので、ライムじゃないといけないのにレモンに変えたりとか、ちょっとそういうパトロール活動もしながら

真理
真理

面白ーい! お店もペルーの本物の料理を知ってほしいというところから始まって、ピスコも本当の美味しさを知ってほしいし、適当に扱わずにね

夏江さん
夏江さん

そう、適当に扱わずに。まず広めることなんですけどそういう活動をしています

真理
真理

それは別に1円にもならないよね

夏江さん
夏江さん

ならない(笑) ほんとにボランティアというか

真理
真理

想いだよね

 

 

夏江さん
夏江さん

そんなことやってどう儲かってるの?とよく聞かれるんですよ。ほんと儲かるためじゃなくて、逆に出費がかさんでる(笑)

真理
真理

だよね。飲みに行って、お金使って

夏江さん
夏江さん

いずれピスコを輸入したりはするかもしれないけど、でも別にそれが目的じゃないというか

真理
真理

それよりも喜びの方なんですね

夏江さん
夏江さん

そうですね。たまに怖くなります。お酒の世界ってウンチクに強い人とオタクが集まるんですよ

真理
真理

うんうん、なんか分かる

夏江さん
夏江さん

日本全国において、たぶんピスコの種類を一番置いてるは、うちの店なんですよ。ピスコだけで70種類くらいあるんですけど

真理
真理

えー、凄い‼︎

夏江さん
夏江さん

ピスコ協会の会長が、本当にピスコについての知識があるのかって言ったら、自分ではまだまだだと思っていて。でも日本全国民を見た時、ピスコについて一番知識があるのは誰か?と言ったら、こんなにピスコのことを思って、現地の情報をスペイン語で読みあさっている人は他にいないだろうな、やっぱり自分なのかな、と思うとちょっと怖くなります。

真理
真理

それはどういう怖さですか?

夏江さん
夏江さん

使命感に駆られるというか、これだけ知ってるって、一応勉強したんだから、ちゃんと広めないとダメでしょみたいな

真理
真理

感動するわー

夏江さん
夏江さん

基本わたしは楽観主義なんですよ。ほんと楽しければいいんですけど。そういうことで自分を追い込まないと成果に繋がらないんで

真理
真理

感動する。それも別に結果を出したくて始めたわけではなくて、好きでそれに対する想いがあって、知ってほしいところから始まったら、いま日本でピスコを一番知っている人に気づいたらなってたってことですもんね

夏江さん
夏江さん

ほんとにそうかは分からないんですけど、でもまあ、考えたらそうかなって。ほんとに知られてないので。お酒もチリとペルーの論争があるんですよ。チリとペルーはいろんな論争があって、政治的なことも絡んでくるんですけどね。チリにもピスコというお酒があって(笑) チリ人とか、よく知らないペルー人は、同じものだと思っているですけど、掘り下げて見ていくと、使っている葡萄も蒸留方法も製造法、全部違うんですよ。だから出来たものは違うものなのに、同じ名前でやっているから、ピスコはチリのものなのか、ペルーのものなのかという論争に取っている人がいるんです。実際は全然違うものなんですね。残念ながら日本にはチリのピスコがペルーのピスコよりも浸透していて、チリワインがすごく流通しているので。ペルーのピスコよりも何年もそっちがちゃんと営業しているので、バーをまわって「ピスコありますよ、うち」というお店があっても、必ずチリのピスコなんです。でも、それはピスコじゃないよって喧嘩を売ることはしたくなくて、違うものだっていうのを分かった上で、両方楽しんでくれたらいいかなと思ってます

真理
真理

すごい地道な活動

夏江さん
夏江さん

地道ですよ(笑)

真理
真理

でもなんか楽しいね

夏江さん
夏江さん

わたし、代々木に住んでるんですけど。自分の行きつけのバー何ヶ所かにはピスコが入ってたりするんです。だから代々木近辺は、ピスコ率が高いです

真理
真理

アハハハ! わたしも行きたいです

 

 

夏江さん
夏江さん

ぜひ! ピスコサワー、わたしが作りますよ

真理
真理

お店に食べに行きたいです

夏江さん
夏江さん

ピスコもそうですし、お店に関しては、コロナのことで大変ですけど、コロナ乗り越えて、みんなうちで働いている子たち、解雇することなくいられているので、幸せだなと思いました

真理
真理

営業は何時からなんですか?

夏江さん
夏江さん

17時からです。これもちょっと面白いんですけど。昼間はお店の名前を変えて、ペルーのサンドイッチ屋さんをやってます。夜の名前は『ベポカ』というレストランで、昼は『サングチェリアクチ』。サンドイッチ屋という意味で、昼間は夜のメニューは一切なくて、豚バラがいっぱい入ったサンドイッチが看板メニューになってます

真理
真理

それも食べてみたい

夏江さん
夏江さん

二毛作店ていうんですか

真理
真理

素晴らしい‼︎ 次にご紹介してくださる方のお名前と、どんなユニークさを持つ方なのかを教えてもらえますか?

夏江さん
夏江さん

常盤美央子(ときわみおこ)さんです。未央ちゃんは、またまたピースボートつながりです。2005年のピースボート48回クルーズでスペイン語のボランティア通訳として一緒に地球を旅した仲間です。頭も心もキャパが大きくて、ネガティブな波動を全然感じないなぁーってのが昔からの印象。仕事もちろんできるし、楽器が弾けたり、歌がうまかったり、踊れたり、お酒も飲めたり(笑) とにかく器用で、なんでもできちゃうんです。未央ちゃんは南米のチリに留学していたことがあり、私の生まれ故郷のペルーにも住んでいたことがあります。一緒にピースボートで旅したのち、彼女はピースボートのスタッフとなって、船が着港する前の現地のツアーをコーディネートする仕事を長年してきて、もう地球何周もしているし、語れるストーリーが沢山あると思います。一緒にピスコ飲みがなら語れる尊敬している友人です

次回は東京在住の常盤未央子さんです。

なかんだかりなつえさん、どうもありがとうございました。

 

ペルー料理 bepocah (ベポカ)
http://www.bepocah.com/en/index.htmlJapan Pisco Association
https://m.facebook.com/pg/japanpisco/about/
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