奄美大島を出発する前に購入した、加計呂麻島のガイドブック「まんでぃ」をフェリーのなかで見ていたら「マリア観音のいる教会」があると書いてありました。
加計呂麻島に行く1ヶ月前にも、隠れキリシタンの地を巡っていた私は、ひとり大興奮。
ここに行かねば‼︎
ここに行くために加計呂麻島に来たのかもしれない‼︎
と好奇心は抑えられません。
ガイドブックに「マリア観音像の見学は事前連絡が必要です」と電話番号が載っていたので、港に着いてすぐにかけてみました。
「係の人の電話番号を教えますから、その人に電話してみてください。◯◯さんという方です」と言われ、◯◯さんに電話をすると「カギが開いているから、自由にどうぞ」と言ってくださり、場所がいまいち分からないけれど、とりあえず向かいました。
分からないままノロノロ運転をしていると、坂道を入ったところで、庭の木の剪定をしているおじいさんが見えたので、私は車を止めて坂をのぼり声をかけました。
私「こんにちは。このあたりに教会があると聞いたのですが」
おじいさん「こんにちは。教会はね、この道を……」
私「歩いていけますか? 車の方がいいですか?」
おじいさん「歩いてすぐよ」
私「ありがとうございます。行ってみます。そこの神社(道のすぐ上にある)は、誰でもお参りしていいんですか?」
おじいさん「どうぞどうぞ」
私「ありがとうございます」
すぐ上の方にあった厳島神社にご挨拶をして戻ると
おじいさん「マリアさまにお会いになりましたか?」
私「いや、まだこれからです」というコントのようなやり取り(笑)
私はこのおじいさんから、なにか話を聴かないといけないような気がしてきました。
私「このあたりは、キリスト教の信徒の方が多いんですか?」
おじいさん「昔は多かったけどね。200人くらいいたけど今はたった3人。その3人のうち2人が私と家内です(笑)」
私「えーーーー!!!」
(ドキドキ、3人のうちの1人の方にお会いできているなんて、これはなにかあるぞ!)
ますます、おじいさんから何か聴くことになる予感がしてきました。
私「どうしてマリアさまではなくて、マリア観音さまなんでしょうか」
おじいさん「それがね、不思議な話なんですよ」と、こんな話をしてくださいました。
マリア観音像は、出征していた兵士が、シナ(支那)から持ち帰ったもので、その後、集落の占い師の方が、これはただの人形ではないと言ったのだそうです。
夢のなかで「マリアでござる、マリアでござる」とお告げがあったというお話でした。
不思議な話でした。
ますます興味津々です。
私「ありがとうございました。お名前を教えてもらえますか?」
お「◯◯です。」
私「えーーーー⁈ さっき教会へ行きたいって電話したの私です。うわー!」
なんと、おじいさんは私が電話で問い合わせたをした方でした。
一番ピッタリの方に道を聞き、お話を聴くことができました。
面白すぎる!
旅で起こるこういうことが大好きです。
そして、テクテク歩いていくと西阿室カトリック教会のマリアさまが見えてきました。
青い空と白いマリアさまの穏やかなエネルギーが迎えてくださいます。
小さな可愛らしい教会です。
集落の方たちがこの場所を、大切にされてきたのが伝わってきます。
前に近づいていくと、いらっしゃいました!
「はじめまして! マリア観音さま」
しばらく静かに座り、こころを合わせました。
こちらに来るまで想像もしなかったマリアさまとマリア観音さまにお会いできて、こうして加計呂麻島の旅がはじまりました。
加計呂麻島に行ったときには、ぜひ「西阿室教会のマリア観音像」に会いに行ってみてください。
瀬相港から車で約10分とガイドブックには書いてありますが、私はもう少しかかったような気がします。マリア観音像の見学は事前連絡が必要です。
Tel 0997-75-0317