『パパラギ』 / 翻訳者 岡崎照男

ポリネシアのウポル島、酋長ツイアビの演説集です。初版はなんと100年前!

パパラギとはサモア語で「空を破ってあらわれた人」を意味し、それは船でやって来た宣教師であり、そして白人のことです。

南の島の酋長ツイアビが、自分自身を通して見て感じた西洋の人々や暮らしについて語っています。私たちの生活の中で、今や普通にあるものたち……住む家、洋服やお金、新聞や本、映画、たくさんの物、時間の概念、職業というもの。

それらの一見、便利で豊かな生活になれるようなものを、ツイアビは冷静に観察しています。そして南の島の人々が、むやみにそれらを受け入れないように……と願うのです。

便利そうで、豊かなものに囲まれている西洋人。けれど、それらと引き換えに失ったもの。ツイアビは、本当の豊かさとは何か?ということを見抜いているのです。

この本は社会人生活に疲れ切っていた頃の救い……?的な本でした。仕事が忙しくて、家と会社の往復の日々で、社会人って、ずーっとこんな生活なのかな?と軽く絶望していた頃。バブルの終わり頃でお金、ブランド品、高級車がステイタス!みたいな社会にも馴染めず、自分がおかしいのかな? 私の生きたい世界はこういう世界じゃないなぁ…と感じていた頃。このツイアビの語る本当の豊かさに憧れました。

私たちは、便利そうで豊かになりそうなもの、最新のものをすぐに取り入れようとするけれど、それらと引き換えに失うものについても、よくよく考えなければ、と思います。そして今、当たり前に受け入れている物や考えや、仕組みやしきたり。そういうものも「これって本当にいることかな?」と見直すことで、私たちが失ってきたものを取り戻すことに繋がるのではと思います。

今の社会の常識に疲れたときや、それに馴染めない気分のとき、そして「南の島に行きたいなー」と思うときに読みたくなる本です。文明社会に疲れを感じている人に、おすすめしたいです。

パパラギ
翻訳者 岡崎照男
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宇宙図書館 No.9
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