はじまりへの旅

ソローの「森の生活」…何度トライしても、最後まで読み切れた試しがない本です。いつかこんな暮らしをしてみたいな、いやできないだろうな〜と読むたびに思うのですが、この本を地で行く、アメリカの森深くで自給自足をする家族、父ベンとその6人の子ども達が今回オススメする映画「はじまりへの旅」の主人公です。

森に建てた家に住み、食べ物は家で栽培している野菜と、森で狩りをして獲る鹿などの野生の動物。

父の訓練により、自然の中を走ったり、ロッククライミングをしたりで体が鍛えられ、子ども達の運動神経はみんなアスリート並み。

父の教育により、8歳のサージがアメリカの権利章典を解説でき、長男のボウは、ハーバード大学、ブラウン、スタンフォード、プリンストンという名だたる大学に合格するほど。ヴェスパーやキーラーは何ヶ国語も話します。

クリスマスではなく、アメリカの社会哲学者チョムスキーの誕生日をお祝いし、父からのプレゼントはナイフなどのサバイバルグッズがほとんど。

このパワフルな家族が、母の死をきっかけに森から出て、文明社会に出会っていくお話です。

この思想強っ!のお父さん役を、なんと!あの「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴン様が演じているのですが、すごいハマり役で、アカデミー賞にノミネートされたのも納得できます。

「アメリカ人は無学で薬漬け」「米国医師会は強欲で製薬会社とグル」など、この家族が話してることは、私の周りで話してるようなことと似ていて笑えます。思想が似ているからか、こんな暮らしいいな、と私は憧れてしまうのですが、そうでなくても共感できる人も多いのではないかと思うのです。

このコロナ禍でキャンプする人が増えているのは、不便でも、こんな風に消費生活から少し距離を置いて、自然の中で過ごしたいということなのかもしれません。子ども達のように、自分の体をフルに使い、自分の頭で考え、知恵を使って生きていくというのは本当に魅力的に思えます。

その一方、子ども達は閉じられた中で生き、現代の社会を知らない、ということがあります。今後、ずっと森の中で家族だけで暮らすと決めるか、そういう生活をしている家族と出会ってコミュニティーを作るなら別ですが、そのことで父も悩み始めます。

森の生活をしたい父と、消費生活の代表みたいな妻の父。理想と現実。この2人が私の中にもいます。私の中でこの2人が葛藤しながらも、楽しんで観ることができました。

そして、本当に現在の生活が幸せなのか?いろんなことを疑う必要があるのではないか?そんなことをとても考えさせられました。

彼らが果たしてどんな形に落ち着くのか、それは見てのお楽しみです。

「人民に力を!」
「権力にノーを!」

始まりのへの旅
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この映画の感想を書いてくれた人・ルーリー

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宇宙図書館 No.9
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