友達の輪 玖島 悦子さん

わたしたちの楽しみでドキドキのチャレンジ「友達の輪」へようこそ!

「普通の毎日を生きる面白い人たち」をクローズアップして、その生き様をご紹介させていただきます。そして、その人から、また別の方へ……さまざまな個性と魅力に富んだ方々と出会えることを楽しみにしています。

第21回目のゲストは、玖島悦子さん‼︎

山下郁子さんからのご紹介です。

真理
真理

お名前と今どんなことをされているかを教えてください。

悦子さん
悦子さん

玖島悦子です。食べるバラの専門店「玖島ローズ」の代表をしております。

真理
真理

食べるバラって、興味津々なんですけど。お店を始めた経緯から聞かせてもらえますか?

悦子さん
悦子さん

2008年のことなんですけれども。私の母がですね、当時私は38歳で。私の誕生日に38本の花を持ってきてくれたことが、ことの発端だったんですけど。

真理
真理

素敵!

悦子さん
悦子さん

とてもエネルギーを感じるお花で。花束ってもらったことは何回もあっても、記憶に残る花束ってなかなかないと思うんですね。でも、それはとても記憶に残る花で。母がですね、その花を作った農家さんに会いに行ってみないかと言ってきたのが2008年のことです。

真理
真理

へぇー。

悦子さん
悦子さん

そこの農家さんを訪ねたときに「すごくエネルギーを感じたお花だったんです」ってお話したら「うちは農薬を使ってないからね」っていうことをおっしゃったんですよ。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

それまで食べるものや野菜には気をつけたりしていたんですけど、お花に農薬を使っているということを考えたことなくて。「お花って、農薬使ってるんですか?」とお尋ねしたら、野菜と違って、お花って口に入れるものではないので、国の基準もあんまり厳しくなくて、通常は野菜の倍くらいの農薬を使って栽培しているのが、お花の栽培の実情なんだよということを教えていただいたんですね。

真理
真理

はい。

悦子さん
悦子さん

お花というのは、切られても呼吸をしているので、花束をもらって香りを嗅ぐと、農薬を吸い込んでいることと同じなんだよって言われたんです。衝撃ですよね。

真理
真理

衝撃です。

悦子さん
悦子さん

野菜の倍くらいの農薬を使って栽培する花の農地ではですね、土のなかに微生物がなくなってしまうので、化学肥料を入れないとお花が育たない。

真理
真理

そうですよね。

悦子さん
悦子さん

そうなると、そのハウスや路地には虫も来ないけど、タニシも来なければカエルも来ない、微生物も住まない。そこに雨が降ってその水が川に流れていったら、水質汚染ということになっていくということを聞いたときに、光の柱が立ったような感覚がありまして「これは私が世の中の人に教えなくては」と錯覚をしちゃったんですよ(笑)

真理
真理

すごーい!鳥肌。

悦子さん
悦子さん

とんでもない錯覚を(笑)

真理
真理

元々、関心があったんですか?

悦子さん
悦子さん

イヤ、全然です。

真理
真理

環境問題とか。

悦子さん
悦子さん

全然です。

真理
真理

アハハハ!面白い。

悦子さん
悦子さん

ただ当時、娘が小学校の2年か3年生くらいで、子供の口に入れるものは気をつけて育ててきたので、野菜もなるべく農薬を使っていないものを選んだりとかはあったんです。そんなにゴリゴリのオーガニックやマクロビではなかったですが。

真理
真理

へぇー。

悦子さん
悦子さん

やっぱり生産者さんの志が素晴らしいと思って。無農薬で栽培されたお花を応援したいと思ったら、やっぱり買うのが一番じゃないですか。

真理
真理

そうですね。

悦子さん
悦子さん

で、「お花を買わせてください」ということをお約束したんですね。毎週100輪、買わせてくださいって。

真理
真理

すごい!すごいですよねー(笑) 毎週100輪!

悦子さん
悦子さん

そのとき、私は美容関係の営業のお仕事をしていて、当時38歳でシングルマザーだったんですけど、そんなにお金には困ってなかったんですよ。良いお客様にも恵まれて。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

やっぱり社会に良いことしたいなという思いもあったので「お花を買わせてください。毎週100輪買います」と言って、毎週木曜日にお花を届けていただくようになったんです。

真理
真理

はい。

悦子さん
悦子さん

何回かは100輪ぐらいだったと記憶しているんですけど、あるときですね、家に帰ると、当時住んでいたマンションのオートロックのエントランスの前に、バケツがワーッて、いっぱいあって、置いてあった納品書を見ると600輪って書いてあるんですよね。

真理
真理

ホーーーー⁉︎

悦子さん
悦子さん

私もオーーー⁉︎と思ったのですが。
いいことしようと思って「買います」と言った手前「こんなにいりません」って断れなかったんですよ。

真理
真理

いい人!

悦子さん
悦子さん

いい格好しいなだけなんですよ。で、その次の週も、その次の週も600輪届きましたからね(笑)

真理
真理

エーーーー‼︎ すごい!

悦子さん
悦子さん

プレゼントじゃないんですよ。ちゃんと600輪いくらって納品書に書いてあるんですよ。ちゃんとお支払いしなくちゃいけないもので。部屋中がバラだらけになったんです。

真理
真理

そうですよね!

悦子さん
悦子さん

私、お花屋さんでもないし。
それでも断れなくって。困ったなー、今週また来ちゃうよなと思って。お金払っているものだから捨てられないし。

真理
真理

そうですよー。

悦子さん
悦子さん

その時点で部屋中がバラだらけなので、娘の部屋を花の部屋にして、娘は私の部屋で一緒に寝かせるようにして。

真理
真理

アハハハ!

悦子さん
悦子さん

普通、お花って、花瓶の水が1日でドロドロになっちゃいますよね。でも、そのバラは化学肥料で育てていないのでああいうことがないんですよ。

真理
真理

へぇー!

悦子さん
悦子さん

余計なものを吸ってないので、出すものも綺麗。水もいつまでも透明なんですよ。

真理
真理

ヌルヌルにならないんですか?

悦子さん
悦子さん

ならないです。野菜でも化学肥料を使ってると、ドロドロになるじゃないですか?

真理
真理

なりますね。

悦子さん
悦子さん

あれを使ってないと枯れていくんですよ。萎むようにね。だからお花が腐らないんですよ。

真理
真理

そうなんですね。

悦子さん
悦子さん

でも、香りは素晴らしかったんです。
花を子どもに例えるとしたら、熱が出たら、お母さんが病院に連れていって、注射してもらって、お薬もらってってしてたのがね「はい、今日から、あなたは自分の免疫力だけで治してください」って、言われるのと同じことなわけですよ。農薬使わないというのは。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

それでちょっと切なくなってしまったのと、精一杯、香りを放っているお花がやっぱり愛おしくて、捨てたくないし、なんとかできないかなと思ったときにふと、「食べられるかな?」って。

真理
真理

ほぉーーー(笑)

悦子さん
悦子さん

無農薬だし、食べられるんじゃない?と。

真理
真理

アハハハ!

悦子さん
悦子さん

もったいないから、とりあえず花だけ取って、刻んで、ケーキを焼いてみたりとか、クッキー焼いたりとか。なんせ部屋中バラだらけだったんで、全部首チョンパにしてシロップ作ったり、ジャム作ったり、お酒につけて梅酒みたいにしたり。

真理
真理

へぇー!

悦子さん
悦子さん

そんな風にして1800輪の花の命をとどめたというのかな。加工して、命を繋いだという感じなんですけど、そんな風にしたのが2009年の3月のことなんですね。それでもお花はずっと続いていたんです。

真理
真理

ずっと600輪が届いていたんですか?

悦子さん
悦子さん

もう、そのあたりはあまり覚えていないですね。でもまあいつもお花に追いかけられている感じでした(笑)

真理
真理

アハハハ!それでもずっと断らなかったんですか?

悦子さん
悦子さん

うん、断れなかったんですよね。バラにのめり込んじゃって。土づくりとか環境のこととか、お花を通じた社会に対する提言みたいな活動そのものに入れ込んでいて。生産者さんのこともすごく好きで応援したかったので、結局、自分の本業が手につかなくなってしまって。もちろん今はちゃんと断れますよ!(笑)

真理
真理

アハハハ!

悦子さん
悦子さん

本業を辞めよう!と思ってしまったんですね。こんなことをやっていては、いつまでたってもバラの道ができないわと思って。

真理
真理

すごい!

悦子さん
悦子さん

で、辞めちゃったんですよ(笑)

真理
真理

収入源がなくなるってことでしょ?

悦子さん
悦子さん

よくやりましたよね(笑) あんまり考えてなかったんですよ。

真理
真理

すごいなー。

悦子さん
悦子さん

ちょっとは貯金があったので、なんとかなるだろうと思っていたんですけど、花がそんなペースで届くので、あっという間に貯金も尽きてしまって。それでも生産者さんへの支払いは遅れたくないっていうのがあって、いっときはね電気が止まったりとか(笑)

真理
真理

えーーーー⁉︎

悦子さん
悦子さん

携帯なんかはしょっちゅう止まってましたし。娘がね、この前も笑い話で言うんです。「お母さん、私、いっつも先生から給食費持ってこいって言われてて、お母さんはいつも『忘れたって言って』」って(笑)

真理
真理

アハハハ!面白い。

悦子さん
悦子さん

そんな感じでやりながら、焼いたケーキを友達に配ってたんですね。当然一言、二言、三言「このお花はね、農薬かけずに栽培したすごいお花でね。こういう生産者さんがいることを世の中に知ってもらおうと、応援したいんだ」ってことを言いながらですね。そしたら友人のひとりが「えっちゃんがそんなに真剣に応援してるんだったら、ケーキを買ったげるわ」と。お友達にお中元か何かで持っていくから、また焼いてよって言われたんです。私も素人ながらに、自分で焼いたものを友達にあげるのはよくても、お使いものにしてもらうには、きちんと保健所に許可取ったものじゃないといけないというくらいの知識はあったので、じゃあ、ちょっとケーキ屋さんに聞いてみようと、近所のケーキ屋さんに飛びこんだんです。

真理
真理

すごい。

悦子さん
悦子さん

香りのいい無農薬のバラと、私が作った素朴なパウンドケーキを持って「すみません、このバラでこういうケーキを作ってほしんですけど」と言ったのが、商品化のはじまりというか。

真理
真理

すごーい!

悦子さん
悦子さん

この話を引き受けてくださったパティシエさんもすごい方です。今でこそ、こんなことをやる人をあっちこっちで見るようになりましたけど、2009年の7月だったので「なんか、よー分からんな」って言いながら「でも一回やってみるわ」って、知り合いでもないのにですよ。

真理
真理

アハハハ!すごいわー。

悦子さん
悦子さん

試作に対して、いくらかかりますとかもまったくなく、そんなにいいものだったら、ちょっと手伝ってあげるわっていう感じで、やってくださったのが「モンパル・山科さん」今もジャムをずっと作っていただいています。

真理
真理

へぇー。

悦子さん
悦子さん

そんな風に商品化が始まったんですが、次はそれを流通させていかないと。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

どうしましょうってなったときにCOP10(生物多様性締約国会議)という国際会議のイベントに出展する機会をいただきまして。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

持続可能な無農薬の花栽培の商品化、流通の取り組みということで発表したんですけど。思いのほか売れちゃったんですよ。

真理
真理

へぇー。

悦子さん
悦子さん

自分では「これ、美味しいな」と思ってたんですけど「本当にこんなもの買う人おるんや」って(笑)そこで食べる専門でいこうと決めたのが、その2010年です。

真理
真理

最初のとっかかりがそれですもんね。「食べてみよう」からですもんね。

悦子さん
悦子さん

はい。

真理
真理

面白い!2010年。

悦子さん
悦子さん

そんなときに知人から百貨店を紹介してあげるわって言われて、名鉄百貨店という地元の百貨店の社長さんに会わせていただくことができて。

真理
真理

すごーい!

悦子さん
悦子さん

こんなペースでワーッと「お花って、ものすごい農薬使っているんですよ!ご存知ですか?」みたいな感じで社長室でプレゼンして。帰りがけに社長さんが「よく分からないけど、君が扱っているのは食品なの?」とおっしゃるので「食品です」と答えたら「じゃあ、バイヤーに言っとくね」と言っていただいて。そこから20分後くらいにバイヤーさんからお電話があり、今じゃありえないんですけど、そこからすぐ2ヶ月後くらいに出店が決まって、出るようになったんですね。
今じゃありえないラッキーです(笑)

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

百貨店は、いま思うとビギナーズラックだったんですけど、これまた思いのほか売れたんですよ。「そうか、じゃあ百貨店にしよう」と、そこから東京、大阪に行って飛び込みで営業して。

真理
真理

それ、おひとりでされていたんですか?

悦子さん
悦子さん

はい。

真理
真理

すごーい。

悦子さん
悦子さん

ほんと、その頃は、電気止まるか止まらないかの感じだったので、23:50頃に名古屋を発って、朝5時に新宿に着く深夜バスに乗って、新宿駅のマクドナルドで時間まちながらお化粧直して、朝一から片っぱしに東京の百貨店まわってました。

真理
真理

完全に飛び込みなんですか?

悦子さん
悦子さん

全部、飛び込みなんですよ(笑)

真理
真理

すごいー!

悦子さん
悦子さん

今、考えるとそんなの会ってくれるわけないじゃんって感じなんですけど、でも電話して断られたら行けなくなっちゃうので、行くしかないわと思って。「こんにちは~!催事の担当の方いらっしゃいますか?」って。「アポありますか?」と聞かれたら「いや、ないですけど、名古屋から来ているんですよ、私」って、ゴリゴリ押してって感じで。

真理
真理

アハハハ!

悦子さん
悦子さん

そんななかで、日本橋の高島屋さんがまさか「うちでやってみる?」と言ってくださって、東京はそこから始まったんです。

真理
真理

面白いなー悦子さんの生き方。

悦子さん
悦子さん

変でしょー。

真理
真理

面白すぎる。

悦子さん
悦子さん

これまで美容のただの営業で価格の決まったものを販売してただけだったので、経営とか、値付けをするとか、POPを作ったりなどの販促とか、在庫管理とか何にもやったことないですし。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

得意なのは営業だけだったので、内部はひっちゃかめっちゃかで、途中、売り上げ持ち逃げされちゃったりとか。

真理
真理

えーーーー⁉︎

悦子さん
悦子さん

騙されたりとか、いろんなことがありました。いまじゃネタですけど(笑)

真理
真理

ほぉーーー。

悦子さん
悦子さん

百貨店で試食販売する人をマネキンさんというんですが、プロの方に頼むとすごく高いので、最初のうちは全部自分で販売してたんですよ。

真理
真理

へぇー!

悦子さん
悦子さん

そうするとお客さまとリアルに話をするじゃないですか。なかに熱狂的なお客様が出てくるようになってきて。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

「玖島さん、ほんとにありがとう。私この商品のおかげで毎日が楽しくなったの」とか「すごく楽になったの」とか「寝起きがよくなったの」とか。のちに調べてみるとバラ自体の薬効効果がすごくあったんですよ。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

ネットでいろいろ出てきますけど、女性ホルモンのバランスを整えるとか、赤バラはポリフェノールが多いので、アンチエイジングとか免疫力をあげたりとか。アロマの世界だとストレス緩和とか、自律神経を整えたりするのにバラがすごく効果を発揮するというようなことがあって「これのことか」と。

真理
真理

あとから分かったんですね(笑)

悦子さん
悦子さん

アハハハ!「よかった!いいものに出会えて」って!
元々こちらの都合で作った商品でしたから(笑)シロップやジャムというのも、これだったらバラをたくさん使えるだろうという、相手のニーズはまったく関係なくやってきていたので、これで喜んでもらえるなんて、ほんとラッキーだという感じで(笑)

真理
真理

面白いですねー。

悦子さん
悦子さん

日中は自分が立って販売するでしょ。夜、帰って内職とか事務仕事するんですよね。だいたい1日の睡眠3時間くらいかな。そんなとき、人に騙されたりだとか、ちょっとショックな出来事が色々あって人間不信になったり。お金がないということもあって。朝、起きても楽しくないというのが続いてきたんですよ。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

微熱もあるしね。ほんとに発作的に「今日は帰ったら死のう」とかね。

真理
真理

えーーーー。

悦子さん
悦子さん

そんな風に思ったりしたことがあって、2回くらい発作的に「もうムリ。今日はもう死のう。帰ったら死のう」って。子供がいるんですよ、私。まったく考えてないんですよ。今、思うと結局そういう状態のときって自分のことしか考えてないんだなということなんですが、とりあえず病院だけ行ってみようかなと思って。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

近所のクリニックに行ったら「心療内科を紹介します」って言われて。「先生、これって鬱なんですか?」と聞いたら「一般的にはそうですね」っておっしゃるので、「あ、じゃあ、私、どうやったら治るか知っているので大丈夫です」って(笑)

真理
真理

アハハハ!

悦子さん
悦子さん

現場でお客様に教えていただいていたので「やっぱりこういうときこそ、バラを食べるべきじゃない?」と思って、当時はバラのシロップとジャムくらいしか商品なかったけど、そればっかり毎日食べて、3日目くらいからもうこんな(いまみたいな)感じです(笑)

真理
真理

すごーい!それすごい!

悦子さん
悦子さん

あれからいろいろありましたし、いまなんてコロナもありますからね。間違いなくあの当時よりも厳しい局面に立たされたりも結構ありますが、メンタルまでもっていかれることはもうないんですよ。

真理
真理

へぇーそうなんですね。

悦子さん
悦子さん

これ、バラなんですよね。

真理
真理

バラすごい!バラすごいですね!今も当時の生産者さんなんですか?

悦子さん
悦子さん

いえ、今は宮崎県の。

真理
真理

えっ⁉︎宮崎なんですか?

悦子さん
悦子さん

宮崎。

真理
真理

わたし、宮崎です。

悦子さん
悦子さん

あーーー‼︎ 本当?

真理
真理

えっ?えっ?宮崎?

悦子さん
悦子さん

宮崎のイオンの近くの「仁田脇バラ園」さん

真理
真理

わーーー!わたし、いつもそこで買ってます。

悦子さん
悦子さん

ウソ⁉︎ 仁田脇バラ園さん?

真理
真理

仁田脇バラ園さん‼︎

(※宮崎のバラ園だったことに、ふたりで大興奮中)

真理
真理

えーーーーー‼︎すごい‼︎

悦子さん
悦子さん

あちらで食用のバラを栽培されているでしょ。

真理
真理

アハハハ!すごい!いいぞ!びっくり。こんな話につながるなんて。

悦子さん
悦子さん

仁田脇バラ園さんと出会って、お花の供給がやっと安定できたので、安心して営業に出られるようになったんです。本当に助かりました!

真理
真理

そうなんですね。宮崎が出てきて驚きました。

悦子さん
悦子さん

百貨店の催事で商品を流通させてきてたんですが、1年を通じてやっていくうちに、すごく売れるときと全然売れないときがあるんだなということが、分かってくるようになったんですね。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

売れないときにムリして百貨店に入れてもらうと、肝心な売れるときに出店させてもらえないということが、起こるんだなということも分かってきたんですよ。

真理
真理

はいはい。

悦子さん
悦子さん

売れないときは出かけないようにしようって。でもまだバラって食べたことがない人がほとんどで、味が分からないものは商品棚に陳列してあっても、勝手に売れてはいかないんですよね。イチゴジャムとかみたいにはいかなくて。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

試食をしてもらわないといけないというところから、じゃあ、バラが好きな人だけ集めて食事会をしようと思ったんですよ。

真理
真理

ほぉー!

悦子さん
悦子さん

それが「食べるバラのランチ会」という、今うちの人気のイベントになっているものなんですけど。前菜から魚料理、肉料理、デザート、全部バラを使ってお食事会をするというのを始めたのが、2014年の8月だったんですよね。

真理
真理

へぇー。

悦子さん
悦子さん

最初のランチ会のとき、レストランさんに特別な料理を作ってもらうので、人数をある程度、呼んできますと言って、貸切にしてもらったんです。すごく親切なところで15人で貸切にしてくださったんですが。

真理
真理

特別メニューでしょ?

悦子さん
悦子さん

そうなんです。だけど私ったらね、8人しか呼べなかったんですよ。申し訳ないからおばあちゃんとお母さんと娘と近所のおばさんとって、みんな連れて、頭数だけサクラで15人に合わせて何とか開催しました。実質のお客様は8人しかいないという状態だったんですけど。

真理
真理

はい。

悦子さん
悦子さん

でもね、当時、アメブロとかFBとかが出てきた頃で、皆さん撮った写真をアップするわけです。今でいう『映え』ですよね。で、なになに?ということから、その3ヶ月後の11月にもう一回開催した時には43人集まりました。

真理
真理

すごーい!

悦子さん
悦子さん

リアルにお客様と交流をするということから、お客様のニーズを聞くこともできるし。八割の方がリピーターさまなんですが、リピーターの方が新しいお友達を連れてきてくれるというありがたい循環が始まったんです。
そんななかで2012年から仁田脇バラ園さんとは別に岐阜県飛騨市の「香愛ローズ」さんからもお花を買わせてもらうようになっていたんですね。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

岐阜県飛騨市っていうところは露地栽培なので、咲く時期が決まっていて、だいたい6月~8月いっぱいくらいまでなんですよ。毎年、岐阜県飛騨市にはお花が咲く頃には挨拶に行っていたんですけど。コンビニもないし、信号もないし、観光しに行くところではないので、本当になんにもないところだなと思って、隣の温泉街の高山というところに泊まって帰るということを何年も続けていたんです。

真理
真理

はい。

悦子さん
悦子さん

2019年の11月の頃、その年のお花が終わって。生産者の方とお会いした際に、お元気ではあるんだけどご高齢なので、「後継者の問題って、どうなってます?」と勇気を出して聞いてみたんですよ。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

そしたら「ワシにはよく分からんで、あんたが来て振興事務所の所長と話をしてくれ」と。振興事務所というのは区役所みたいなポジションですね。よく分かんないけど、行きますという感じで、飛騨に行ったのが2019年の12月。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

私は食べるバラの後継者のお話をしに行っているつもりだったんですけど、どうも所長は「名古屋からバラの人が飛騨のことが知りたいって事だから頼む」と言われていたらしくて。

真理
真理

アハハハ!

悦子さん
悦子さん

スライドを使って「飛騨ってこんなところでね」って。森林が全面積の93.4%でこうでこうでって話をされて、いつになったら食べるバラの話になるんだろうなって思いながら、どんどんお話に引き込まれていったんですよ。

真理
真理

ヤバイ(笑)

悦子さん
悦子さん

ミイラ取りがミイラになるていうパターンで、やっぱり自分がちょっと疲れていたというのもあるんでしょうね。「森に行ってみますか?」と言われて、連れて行ってもらって、森のなかに入ってみたときに、12月の飛騨の森ってほんとに枯れ枯れで、紅葉も終わってるし、時々雪が降るような状態なんですけど、憑き物がサーっと取れちゃうみたいな感覚があったんです。あれってやっぱり自然の力だったと思うのですが、「こういう体験をランチ会に来てくれるお客様としたいなー」って思ったんですよ。

真理
真理

はぁー。いいですね。

悦子さん
悦子さん

ランチ会に来られるお客様って同年代の方も多くて、自分でも疲れてることに気づかなかったりする方も結構、多いんです。だからバラに引き寄せられて来るというのもあるでしょうし、こういう体験を食べるバラということを通じて、お客様と一緒にできたらいいなーと思って。そこではじめて「ここって何にもないな」と思っていたのが「何にもないが、ある」という風に視点が変わったんですよね。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

実はそこにはローズガーデンという立派な地域の建物があって、ここを活用しようというところから、いろいろ活動を始めていきました。飛騨に通いつめ、地元の方にお話を伺ったときに、元々河合町で食べるバラの事業が始まった理由というのは、2001年に豪雨があったとき、河合村が壊滅状態になってしまって、そのときの川を堰き止めてしまった残土の捨て場が、ローズガーデンになってるんだと知りまして。

真理
真理

へぇー。

悦子さん
悦子さん

復興支援で地域全体を元気にするための事業として、食べるバラをやりましょうということで始まった事業だったみたいなんですが、地元の人には馴染みがないまま、20年が経過した。そこに私が飛んで火にいる夏の虫だったんですよ。

真理
真理

アハハハ!

悦子さん
悦子さん

2021年は地域に住んでいる人が893人、そのうちの40%以上が高齢者なんですが、20年前から深刻な問題だったみたいで、過疎化の対策として、河合の子どもたちに情操教育としてバラを植えさようって。願わくば河合をバラの郷にしたいという構想があったらしいんです。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

小学生の子供たちにバラの鉢を配ったらしいんです。当時もらってきた人にお話を聞いたら、なんでか知らんけどバラをもらった記憶があるだけって感じでしたが。

真理
真理

うーん。

悦子さん
悦子さん

そこでその夢のバトンがいきなり20年後にパーン!と渡されてきたと、またしても錯覚してしまいまして(笑)

真理
真理

鳥肌。

悦子さん
悦子さん

人口が減ってきている河合と、コロナがきて、リモートワークとかワーケーションというようになった都会、ここをなんとか繋げないかなーっていうことを考えて、飛騨の自然をお客様に体験してほしいというところから「食べるバラと飛騨の森」というプロジェクトにしました。
ただ私も51歳になって、この先10年同じことが体力的にできないと思ったんです。玖島ローズが来なくなったらこのイベントがなくなってしまうようだったら、これってかえって迷惑をかけるだけだなって思ったんですね。

真理
真理

はいはい。

悦子さん
悦子さん

地元の30代40代の若者に声かけて「一緒にやろうよ!」って。100年続くプロジェクトにしようと。

真理
真理

すごーい‼︎

悦子さん
悦子さん

食べるバラを通じて他地域の方との交流が生まれ、地元の人たちは河合町にしかないもの、河合の良さを知っていく。これをビジネスチャンスに変えていくということをしよう。で、食べるバラを通じて河合を訪れた人々は、私のように森に魅了されて、来るたびに癒されて帰るっていう、そういう風にしませんか?と。そして、いまバラモリ実行委員会として25人の若者が集まりました。

真理
真理

へぇー!

悦子さん
悦子さん

まず大人がチャレンジするということがひとつですね。そして、100年続くことをやっていきたいので、地元の子供たち、主にバラモリのメンバーのお子さん達なんですけど、小学生ばかり。いわゆる子供のスタートアップです。教育委員会の先生方と九州から専門家の方々が主体となって、こちらもキッズのプロジェクトとして盛り上がっています!

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

子供たちにバラモリの目的を聞いたんだそうです。そしたら「河合に来て、河合を大好きになって」って!泣けちゃいますよね。
そのためには、県外の人たちに「河合の何を見てもらったら、好きになってもらえるの?」というところで、自分たちで一生懸命、河合のいいところを見つけて、それを商品化して値付けをして、POPを作って販促して販売して、売り上げから仕入れを払って、残った利益を自分たちで分配してというプロジェクト。

真理
真理

わー!小学生に?

悦子さん
悦子さん

小学生に。

真理
真理

素敵!

悦子さん
悦子さん

これ大人と同時進行なんですよね。

真理
真理

楽しい。

悦子さん
悦子さん

規模がちっちゃくっても、持続可能なシステムを最初からやっていきましょうというのが「食べるバラと飛騨の森」というプロジェクトなんですよ。

真理
真理

すっごく面白い。

悦子さん
悦子さん

単発のイベントじゃなくてプロジェクトなので、バラのイベントが終わったら、ほかの河合の良いものや良いところを発信して、自分たちで動いていきますって、バラモリ実行委員会のみんな、やる気になっています!

真理
真理

すごい!悦子さんすごい!

悦子さん
悦子さん

すごいよね(笑)

真理
真理

すごいよー!

悦子さん
悦子さん

やっぱりこういうのって、自走していけるのが理想ですもんね!

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

まず今年第一回、9月19日~26日まで「食べるバラと飛騨の森ウィーク」をしよう!と、会場レイアウト考えたり、マルシェの出店者さんに声かけたり、飛騨市のご協力もいただいて官民一体で、仕事や家事の終わった時間からリアルやオンラインで会議をして盛り上がっていたのですが。度重なる緊急事態宣言で、今年は中止が決まりまして……。
でも、せっかく仲間ができて、みんなやる気が最高潮で、私も、一年がかりで毎月飛騨に通って準備を進めてきたことを、このまま終わりたくない!って。
で、バラモリをオンラインでお届けしようと、クラウドファンディングに挑戦することにしたんです!今は、クラファン成功に向け、毎晩21:00からオンライン会議で準備を進めていっています!

真理
真理

面白い!すごい!100年続くようにとか、自走とか、全部響きます。この話と銀座のお店とのギャップが面白いですね。

悦子さん
悦子さん

どんなに食べるバラ、食べるバラって盛り上がっても、マーケットがなかったら続かないでしょう? 作っても買ってくれる人がいなかったら、花を植えることができないんですよ。

真理
真理

うんうん。

悦子さん
悦子さん

そんな時、長年の友人にGINZA SIXを紹介していただいたんですよ。コロナがなければオリンピックもあるし、外国人の観光客でにぎわう、かの銀座!本来だったら弱小玖島ローズなんて、相手にもしていただけなかったんでしょうが。だから完全にコロナ便乗商法です(爆笑)

真理
真理

アハハハ!面白いなー。

悦子さん
悦子さん

玖島ローズも、飛騨のバラモリのように、持続可能にしていかなくては、と思っています。ですので、銀座ではこれまでより若年層のお客様にアプローチできるような仕掛けをしていっています。

真理
真理

そうなんですね。

悦子さん
悦子さん

それなりにコロナの影響は受けてますけど、そんなこと言い訳にしていても仕方ないので、いまだからできることをドンドンやっていこうと思って。

真理
真理

すごーい。

悦子さん
悦子さん

だって放っておいたら現状維持すらできないですからね。

真理
真理

そうですよね。悦子さんの人生のターニングポイントって、お母さんにバラをプレゼントされたときですか?

悦子さん
悦子さん

うん、ですね。

真理
真理

38歳。

悦子さん
悦子さん

そうですね。あのとき母が花を持ってきていなければ、いまはないです。

真理
真理

ですよね。

悦子さん
悦子さん

だけど普通、花束をもらっても農家さんのところまで行かないですよね。

真理
真理

行かないですよ。もうひとつ聞きたいのが、悦子さんが人生で大事にしているポイントってなんですか?

悦子さん
悦子さん

それは美しいのか、美しくないのかっていうところでしょうかね。見栄えがってことじゃないですよ。いろんな人とお仕事をすると、利権が絡んだりとか、権利だの義務だのってあるなかで、一番美しい形ってなんだろうというね。
最終的にあるべき形になっていくと思うんですけど。あるべき形というのは美しいですよね。どっちが美しいんだろうとか、何が美しんだろうっていうのは、なにか悩んだりしたときには判断基準です。

真理
真理

すっごくいいお話が聞けました。響きました。次にご紹介していただく方の名前とどんな風にユニークな方なのかを教えてください。

悦子さん
悦子さん

中田しのぶさんです。大阪の「写心家」の方なんです。写真は心を写すと書きます。女性のヌードを撮るカメラマンさんです。女性がヌードになって心を解放するということを、撮影を通じてワークをするというか。この方の写真がまたすごいんですよ。ご自身の作品というものに対して強い思いをもって活動されている方なので、この方をご紹介します。

真理
真理

楽しみです。どうもありがとうございました。

次回は、大阪在住の中田しのぶさんです。

玖島悦子さん、どうもありがとうございました。

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宇宙図書館 No.9
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