今月は、クリスマスにぜひぜひ観てほしい映画をご紹介します。
「素晴らしき哉、人生!」
フランク・キャプラ監督の名作です。
「恩人のジョージ・ベイリーをお救いください」
「友人のジョージを助けてください」」の声……。
みんながお祈りしている雪のクリスマスから物語は始まります。
その声を聞いているのは神様と天使。天使といっても見習いで、おっさんなのですが(笑)
なんだかファンタジーな始まり方ですが、この主人公のジョージ・ベイリーの人生はとてもリアルで、なかなか思い通りにいかず、辛酸をなめることも多いのです。
世界旅行をして、大学へ行き、建築家になる夢を持っていた彼は、父の死により、会社を継ぐことになります。
いろんな運命に翻弄され、いろんなことをあきらめながらも、町の人たちが自分の家を持てるように、良心的な金融会社を経営します。
賢く、愛情深いメアリーを妻にめとり、子ども4人に恵まれたあるクリスマスの日、またも窮地に陥り……。
ジョージは、いろんな犠牲になり、大学をあきらめ弟に行かせ、世界旅行をあきらめ、建築家もあきらめ、新婚旅行もあきらめます。唯一、諦めなかったのは好きな女性と結婚したことだけ。
見ていて歯がゆくなるほどです。自分の生きたい人生を選ばなくていいの?と。

でも、人のために生きたジョージだからこそ、のラストを迎えます。
この人生もいいじゃないの、いや最高の人生かも!
人の生き方は本当に人それぞれあっていいと思えます。
そして、おっさん天使のおかげで、もし自分という人間がいなかったら、世界はどう変わるのか?をジョージは経験します。
ちっぽけだと思っていた自分ひとりの存在が、どれだけ他の人の人生に影響するのかを、眼で見せてくれるのはとてもインパクトがあり、ズシリと心に響きます。
そしてジョージと同じように、いまある幸せに感謝の念が出てくるのです。
ジョージは、この時代のアメリカ人の良心ともいうべき、本当に善人で、その周りの人も善人に描かれています。貸家業のポッター以外は。
いまどきこんな善良な人ばっかりいないよ〜とも言われそうですが、こういうことが今もあることを信じたいし、クリスマスだからこそ、こういうことも信じられる気もします。
あなたのために遣わされた天使もいるかもしれない。
そして、あなたを助け、翼をもらって、リンリンとベルが鳴るクリスマスになりますように。
それも信じさせてくれるような心温まる映画です。
《この映画はこんな人にオススメです》
★自分ばかりが貧乏くじを引いてる気がするな、と思う人
★奇跡を信じたい人
★天使の存在を信じている人
★クリスマスにほっこりしたい人
★周りに文句を言いたくて仕方がない時に
★泣きたい人に