作者であるエンリケ・バリオスの作品といえば『アミ・小さな宇宙人』ですね! 有名なのは『アミ・小さな宇宙人』ですが、わたしは『ツインソウル』が好きなのです。ファンタジーなんだけど、実際の話なんじゃないの?って思わせてくれるのがエンリケ作品の凄さ!
この作品に書かれている内容は、昔からよくありそうと言えばありそうなんですよ。 双子の魂の物語。でも何かが違うんです……。あっ、そう! きっと今の時代を生きる人への大事なメッセージがたくさん込められているからでしょう。
主人公の科学者ルーカスが、休暇を過ごすために訪れたサンズ島でのお話です。そこでルーカスは、サンズ島のバボ族に伝わる秘密の伝説を知ることになります。
湖が、不思議なターコイズ色をしている理由とある美しい姫のこと。山の火口の底には隠れた宮殿があるといいます。何千年も前にかけられた呪文によって、姫はそこに捕らえられたままだと。神の永遠の信託によって選ばれた男が現れる日、姫は自由の身になる……。
その伝説は、ルーカスの心をとらえました。
不思議な魅力を持つ、美しい女性エリナとの運命の出逢いが、ルーカスの常識、固定観念、価値観、すべてを揺さぶり……ルーカスは、混乱し、戸惑います。平穏な自分の人生に、突如として現れた魅力的な女性。その女性に出逢うことによって、ルーカスの人生はどうなっていくのでしょうか。
動揺するルーカスに対して、まっすぐにぶつかってくるエリナ。これは幻想なのか、それとも自分が今まで生きてきた人生が、幻想だったのか。揺れながら、葛藤しながら、真実の愛に目覚めていこうとする物語です。
ふーーー、大変だ。双子の魂の出逢いとは、こんなに激しいものなのかと。そして、目覚めた魂と向き合うことは、すべてを見透かされ、丸裸にされるようなものなのだと感じました。
強烈に惹かれあってしまう双子の魂。誰にでも魂を分けた、ツインソウル(双子の魂)がいると書かれています。巡り逢う運命の人。ソウルメイトとはまるで違う、もうひとりの自分。
ひとつの魂がふたつに分かれ、再び会う約束をしているのだといいます。時がきたら、ふたつの魂と出逢い、真実の愛に目覚める、と。
魅力的な相手に出逢い、恋に落ちる、一見よくある物語っぽくもあります。しかし、エンリケが描きたかったものは、誰にでも双子の魂がいること。ふたつの魂の出逢いには、恋愛とは違う目的があるということ。
ふたつの魂が再びひとつになると、何が起こるのでしょう。
わたしにもあなたにも、魂を分けた相手がいるそうです。読みながら、宇宙のどこかの自分の双子の魂に思いを馳せてみたくなるでしょう。もしかすると、目の前の人が、その相手かもしれません。
双子の魂ということに興味がある人は、もちろん! 愛する人と深く分かり合いたいと感じている人や素敵なパートナーシップをあきらめたくない、そう思っている人にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
※わたしが持っているものは、タイトル「ツインソウル」なのですが、「まほう色の瞳」というタイトルで、内容が同じものがあります。どうして、タイトルが2種類あるのかは不明ですが、内容は同じです。