『アフターデジタル』/ 著 藤井保文・尾原和啓

2020年の春から日本でも5Gサービスが始まることになりました。アジア・アメリカ・欧州では2019年からすでに始まっているので、日本は遅れをとっていて、オリンピック前に本格始動する予定のようですね。

しかし実際に「5G時代がやってくる!!」といっても「ピンとこない」という人が多いのが現状のようです。むしろその話をすると「ずっと監視されているようで怖い」とか「体調に悪い影響があるようなので嫌だ」という人もいます。

 

大容量・高速通信ができるようになったら、いったい、どんなことが起こるのか…!?

ものすごい勢いで少子高齢が進み、労働力が確保できないうえ、大規模な自然災害がたびたび起こるわが国においては、これから先の発展におおいに期待できるのが、5G通信サービスです。

高齢人口が増えるわが国では、今後、救急要請の増加が予想されますが、そういった時に移動中からどんな様子なのかを詳しく伝えたり、指示を受けたりすることが可能になるでしょう。

農業や建設業においては、ドローンと組み合わせて全体を把握したり、散水や肥料を散布したり、測量したり、計器の自動遠隔操縦が可能になったりもするはずです。

災害時にいち早く、広範囲の状況を把握して、必要な救助を行うといったことも可能になります。

昨年の全国に大規模被害をもたらした台風の時に、夫の実家の近所の多摩川が氾濫するかどうかを中継カメラでずっと眺めていましたが、そういった様子も更にクリアに随時わかれば、いち早く避難したり、救助が必要なところが把握されたりするでしょう。

自動運転タクシーが普及することで、新しいモビリティ社会が実現されるかもしれませんが、孫正義さんの講演など聴いていると、そのあたりの実現をめざしている感がありますね。

いずれにしても、近い未来に、全世界が常時ネットでつながります。

それが、アフターデジタル。

オンライン/オフラインの区別がなくなって、すべてがデジタル上で管理されて、統合される世界です。

本書は、日本に先駆けて2015年に「中国製造2025」を打ち出して、国をあげてビックデータ、クラウド、IoTといった分野を強化し、2025年には世界の製造強国になっていることをぶち上げた中国が、どのように発展してきているのか、ということを紹介したもの。

2019年3月時の情報なので、いまは更に進んでいると思われますが、それでも「日本は遅れている!!」と思う点が多々あるでしょう。

例えば、世界ではかなりポピュラーになっている「Uber」や「Grab」といった配車サービス。日本では規制が厳しく、一向に広まりませんが、アジアでも欧米でも旅するときは、非常に便利です。

あらかじめ、ピックアップ場所と行き先を入力しておけば、つたない現地語で伝える必要もありませんし、料金も先に示されるうえ、オンラインで決済されるので、ぼったくられる心配もありません。ドライバーが信頼に値するかどうかも、星で示されます。

本書に紹介されている中国版のUberで、素晴らしいな……と思ったのは、ドライバーの評価が利用者が星をつけるのではなく、監視センサーによって成されるところ。

利用者が評価するのであれば、賄賂を渡したり、友人に頼んだりしてインチキすることができますが、その点、AIによるセンサーであればそういったことができません。

さらに評価されるのが「急ブレーキの有無」「車線変更のスムーズさ」「一定の安定したスピードで速やかに目的地まで着いたか」といった点であるということ。

わたしたちが配車サービスに求める、最大の目的が「安全かつ速やかに目的地に到着すること」に焦点をあてた評価であるわけですね。

その評価によって、ドライバーはより高料金である高級車の運転が許されるようになっていく仕組みであり、利用者の方も高料金を払うだけの安心と満足がそこで得られることになります。

また、別のサービスで「これはすごく良い」と思ったのは、スーパーの宅配サービス。日本でもネットスーパーのシステムはありますが、ここで特筆すべきは、注文から30分以内に届けてくれるという点。会社の帰り道に注文すれば、家に帰るのと、ほぼ同時に買い物が届くわけです。

オンラインで決算も済み、頻繁に買う商品などは上位に示され、自分の買い物に適したクーポンなども随時、発行される仕組みです。

オンラインで注文して届く生鮮食品は安全なの?!と思うユーザーもいるかもしれませんが、このスーパーは通常営業もしているので、みずから魚や肉や野菜の鮮度を確かめることができるし、そこで「オンライン注文を受けた店員たち」が、顧客のために鮮度の高い商品を選んでいる様子を見ることもできます。

実際の様子を見せることで、安心を提供しているわけですね。

またスーパーには購入したものを食べることのできるコーナーも隣接しているので「オンラインで注文する」「買い物にいく」「そこへ食事に行く」といった、用途に合わせて使い分けることができます。

そしていずれの用途であっても、自身の買い物履歴が蓄積されるいき、より自分にカスタマイズされた形でショッピングが快適になされるようになるわけですね。

働いていて、家事もしている人にとっては、仕事帰りにスーパーに立ち寄って、商品を選び、レジに並んで、重い荷物を持って帰るというプロセスが、電車帰りのオーダーで済むとなれば、負担を減らすことができますよね。

当然このサービスは大人気で、スーパーの配達圏内に建つマンションやアパートの家賃が高くなるほどだそうです。

 

この話をしたとき「そんな便利になって、人は考えなくなってしまうのでは?」という質問をされたことがありました。

時間がたくさんあって、毎日買い物を考えることがその人にとって考えることの日課になっている場合はそうかもしれません。

でも、わたし個人としては「その短縮された時間の分、他にやりたいことに目いっぱい時間が使える」と感じました。

このあたりは感受性の違いもあると思いますが、日常的なことはできる限り、自動化させて、他のクリエイティブに思考を使うというのも、デジタル的思考なのかもしれません。

他にもいろいろ、2018年時点で導入されている「アフターデジタル」……オンラインとオフラインの境界がなくなった社会やビジネスの模様が紹介されています。

これから先、どんな社会がやってくるのかを予想するために、また自分自身が提供し得るサービスの可能性として、やり方を模索するために、読んでみると面白いですよ~!!!!

アフターデジタル

アフターデジタル
著 藤井保文・尾原和啓
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