『ブリーダ』 / 著 パウロ・コエーリョ

パウロ・コエーリョの本は、いつもわたしを神秘的な世界へと誘い込んでいきます。
『ブリーダ』もその一冊です。

「はじめに」に、著者のパウロとブリーダの会話が書いてあります。

「彼女は自分の探求の話を聞かせてくれた。すべて聞き終えたとき、この話をいつか本に書いてもいいかと彼女に訊ねてみた」

実際の話なんだ‼︎ ワクワク

主人公は、アイルランドの女子大生ブリーダ。
「魔術を習いたいんです」ブリーダのこの言葉から物語は、はじまります。

人生の疑問に答えたくて、隠れた力を引き出してみたくて、過去や未来を旅したいという想いから、魔術を習いに、山に暮らす魔術師に会いに行きます。

そしてもう1人、魔女になるための秘儀を伝授する女性が登場します。魔女です ‼︎ 魔女‼︎

2人の師との出逢いによって、ブリーダが魔女修行をしていくお話です。

 

太陽の伝説、月の伝説、魔術、魔力、分身、儀式……。

神秘的なキーワードがたくさん出てきます。

 

魔術師や魔女は、普通とはまるで違う生活をしている遠い存在だと思っていました。わたしたちが、感じるようなことを超越している人たちだと。

ところが、この物語の登場人物は、みんなとても人間ぽい人たちです。わたしたちと同じように恋をし、嫉妬に苦しみ、関係性に悩み、別れの痛みを味わう。それらすべてが、自分を探求するための師となっているのでしょう。

師でありながら、ブリーダに惹かれる魔術師の心の揺れや、戸惑いを見たときに、わたしは嬉しくなりました。同じ人間なのだなーと。

 

隠れた「力」を引き出すために、日常があり、誰かと出逢い、別れ、感情があるのだということが、読んでいるとよく分かります。現実こそが自分を変容させる。現実がスピリチュアルだということ。

読んでいると、ブリーダの魔女修行を一緒に、学んでいるような気がしてきます。

 

ブリーダが魔女になるためのイニシエーションの場面は、物語のなかで、もっとも引き込まれていきます。

師匠の取り仕切りによって魔女になるための儀式が行われる。

パウロの表現力の上手さによって、儀式のなかで奏でられる音やリズムを感じ、熱や風を感じて、まるで自分もイニシエーションの不思議な場にいるような気がするのです。

焚き火と呪文の力によって、トランスに入り踊るブリーダ。周りで見ている人の目などどうでもよくなっていきます。今まで感じたことがないほど自分の身体を心の底から誇らしく感じた彼女は、すべてを脱げ捨てて、自分を解き放ちます。

魂の自由を体現するのが魔女の道であることを知る。

儀式を見に来ていた魔術師とブリーダとの最後の会話に涙。
とくに魔術師の想いに胸がキューーとなります。
魔術師にとってブリーダは特別な女性。
惹かれながらもその想いを秘め、師として彼女の魂の道を見送る。

うーーー、ぜひ読んでみてください。

魔女の道と愛の道。

『ブリーダ』
パウロ・コエーリョ
(Amazonへ)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
本・映画
北條 真理をフォローする
宇宙図書館 No.9
タイトルとURLをコピーしました