『天上の虹』 / 著 里中満智子

今日みなさんのご紹介したいのは、ロングセラーにして、わが家の人気愛読書「天上の虹」

古代大和を舞台とした、歴史大河ロマン漫画です。1983年に連載がはじまり、完結したのが2015年。32年モノですね。

わが家では「この物語の主人公である讃良(さらら)を主役に、NHKの大河ドラマにしたら、絶対に面白いよね!!」と、何度も話題になっております。

少女漫画ベースですが、複雑な女心から、ドロドロの人間関係に、報われなさや秘密が満載の恋愛模様、ぎりぎりを攻めていく政治劇、裏切り、報復、戦乱……と見せ場も満載です。

古代のこの時代って、まだ大河ドラマの題材になったことがないと思うので、ぜひ、チャレンジしてほしいです。

物語は中大兄皇子の妻のひとり、遠智娘(おちのいらつめ)に女の子の赤ちゃんが生まれるところから始まります。この赤ちゃんが、本編の主人公・鵜野讃良(うののさらら)皇女
この当時の大王は、中大兄皇子のお母さんなので、大王の孫のひとりということですね。

しかし、誕生した赤ちゃんのところへ駆けつける直前まで、中大兄皇子は他の妻のところへいて、また共にお祝にやってきた妹の間人(はしひと)皇女とも同父母の兄妹でありながら隠れて愛し合っているという仲。王子さまですから、妻が複数いるのは当然なのですが、初っ端からドロドロの恋愛劇を予感させます。

そしてこの年は645年。みなさん、645年は何が起きた年か、覚えていますか? 歴史でやりましたね?
わたしはおじいちゃん子で、幼稚園ぐらいの頃から、時代劇ばかり観ていたせいか、歴女の気があり、日本史は得意科目でした。
645年は「むしごろしの大化の改新」ですよ!! (とわたしは暗記していました)

中大兄皇子が藤原鎌足と共謀して、わがもの顔でふるまう蘇我入鹿を大王の御前会議の席で討ち果たしました。
そして大王だった母を退位させて、その弟の叔父を即位させると、思うままに中枢を操る中大兄皇子。愛人でもあった妹も、大王となった叔父のところへ嫁がせて、着々と政権を固めていきます。

中大兄皇子は政敵となりそうな相手に次々と謀反の疑いをかけては、粛清していきます。やがてターゲットは、妻である遠智娘の父にも向けられました。人気があるからという理由でめざわりに感じた義父を攻め滅ぼしてしまった中大兄皇子。
夫に父を殺された遠智娘は精神を病んでしまいます。

これが讃良が4歳のときのことでした。父が祖父を攻め滅ぼして、そのせいで母はおかしくなり、翌年には弟を産んで、亡くなってしまいます。物語の冒頭からこんな感じで、深いトラウマになってもおかしくないところですが、讃良は叫ぶのです。

「あたしはきっと、おとうさまより、えらくなってみせる!!」

さすが、中大兄皇子の娘です。ただものではありません。
そして実際に読み進めていくとわかるのですが、数多の妻や愛人に、多くの子を産ませた中大兄皇子でしたが、もっともその政治手腕を強く受け継いだのが讃良なのでした。

讃良がいかに女帝へとなるのか、という物語です。

はっきりいって、すごく面白いです。歴史に興味がなくても、韓流歴史ドラマが好きな人ならきっとハマるはず。

讃良はのちに叔父の大海人皇子と結婚して、その正妻となり、政治的パートナーとして彼の政権を中枢で支えるのですが、女性としての魅力で夫を惹きつけることができません。
くーーーっ。
じゃあ、せめて戦友として、やれるだけやろうじゃないのと思いつつ、いつも悶々としている讃良が可愛いのです。

苦悩を超えて、持統天皇として世に立った讃良の一代出世ストーリー。
大勢の人物が出てきて、途中で誰が誰だか混乱するかもしれませんが、まあ、それはあまり問題じゃないです。いつも誰かが苦悩している、人間臭いドラマなのです。それがわたしたちを惹きつけて、読んだらノンストップで進んでしまうでしょう。

内助の功あり、成り上がりあり、恋愛あり……の歴史モノ少女漫画では「天は赤い河のほとり」に匹敵する面白さです。

お籠もりの日々のお供にぜひ~!!

天上の虹

天上の虹
著 里中満智子
(Amazonへ)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
本・映画
小泉 マーリをフォローする
宇宙図書館 No.9
タイトルとURLをコピーしました