あなたは日月神示を知っていますか?
ひつきしんじ、ひつくしんじ、ひふみしんじ、などと読むとされる、それは昭和19年(1944年)に神典研究家の岡本天明に、あるとき降りてきた「国常立神」という高級神霊による神示が自動書記されたものです。
数十年に渡って、お筆先(自動書記)から膨大な量の神示が降ろされましたが、その大半は数字や記号が入り混じっておりました。
みずからの手を通して書かれたものの、降ろされた内容は天明自身にも不明で、それを研究家仲間や家族たちと協力して、解読していき、のちにそれは公開できる内容のみ、出版されました。
本書は、解読されてもなお難解な日月神事を、長年研究してきた著者の中矢伸一氏がわかりやすく解説してくれたもの。
日月神事を初めて読む、という方には入門として手にとるのにベストな一冊だと思います。
75年前に降ろされた日月神示には一体、何が書かれているのでしょうか?
あまりにも膨大過ぎて、ひとことでは言えないのですが、国常立神という記紀においては最も初期に現れる神様が、これからの世に起こるだろう、わたしたちの未来を預言したものともいえるし、その時に、わたしたちがどのように自身の身魂(みたま)を磨いて備えておけば良いのかという指南書でもあります。
なにしろ、八通りの読み方ができるという、お筆先です。
わたしは特に身魂磨きについて、たまに目を通して、自身の我欲と向き合うことを意識しています。特にくさくさしているときに読むといいですね。
「道は自分で歩めよ。人がさしてくれるのでないぞ、 自分で御用するのぞ。道は自分で開くのぞ」
「その人によってふさわしい行がある。誰でも同じでない」
「身魂磨きとは、善いと感じたこと直ちに行うことぞ」
「人に知れんように善いことつとめと申してあろが。人に知れんようにする善いこと神心ぞ」
身が引き締まるようなお言葉を読んでは、いたずらに増長する我が身を振り返るのです。
預言に関してはいろいろありますが、最終的に光の世、ミロクの世になるための、立て替え「大峠」が起こるという、いわゆる終末論的なものがあります。
ちなみに本書が発行されたのが2005年。
わたしが最初にこの本を読んでいたのも2006~7年頃なのですが、その頃にちょっとした日月神事ブームみたいな感じがありました。
なぜなら、この世を立て直す大峠が「子の歳、真中にして前後10年が正念場」と書かれているからで、当時「子の歳」にあたるのが2008年ではないか!?と噂され、その3年後の東日本大震災がこの大峠なのか?などと、いわれていたのです。
しかし、日月神事に書かれている大峠はそんなに甘いものではありません。
なにしろ日本だけでなく「全世界が同時に混沌とする」ということが書かれているのです。
そして今年の、世界のすべての大陸で同時発生した新型コロナ禍……あれ、今年は子の歳じゃなかったっけ?と、ひさしぶりに読み直した次第です。
神事の文面通りに受けとると、世界で一斉に大津波や巨大地震、嵐や火事が発生することになりますが、これを疫病の蔓延や異常気象、絶えない紛争や水問題などに置き換えて読んでみると、いろいろと考えさせられることがあるでしょう。
世界が変容していくときに、どんな意識でいることが重要で、それを超えたあとにやってくるのが、どんな世の中であるのか。
75年前に神様からやってきた神事から、いまを生きるわたしたちが受け取れるものが、なにかあるかもしれません。