コンセイサマに会いに行こう
コンセイサマ……という神さまを知っていますか?
金勢様あるいは金精様と呼ばれる金精大明神は、男根を象った御神体を持つ神さま。
豊作物の豊穣や子授けの神として、全国的におそらく縄文時代頃からの信仰として祀られているので、見たことがある方も多いでしょう。
古い神社などある地区へ行くと、その境内や近隣の一角に、陰陽石など名づけられた、男根と女陰の大きな石が置かれていることがありますね。
これを「コンセイサマ」と呼んで、祀っているのは、岩手県の遠野地方。
民俗学のメッカともいえる遠野へ「遠野物語」のファンの友人と、妖怪とコンセイサマを探す旅に出かけたときのことです。
遠野でコンセイサマというと「山崎のコンセイサマ」が有名です。
わたしたちも最初にそこをめざしました。
どん!!と、1メートル以上のコンセイサマは、なかなか迫力があります。
定番のカッパ淵などをめぐりつつ、早池峰神社にも足を伸ばしていると、各地の神社にも大小のコンセイサマが祀られているのを発見しました。
コンセイサマは豊穣の神としてだけでなく、塞の神(さいのかみ)、岐神(くなどのかみ)としての役割もあり、結界として邪悪なものから土地を守ってもいたようですね。
かつてはこうした神々が日本全国の津々浦々に存在していたといいますが、明治の廃仏毀釈の時に、民間信仰の大半は壊されてしまいました。なんてもったいない。
それでも岩手はけっこう残っていたり、隠されたりして、面白いものがいろいろありますね。歴史と文化は守るべきであります!!
あまり有名ではないようですが、地図にのっていた程洞(ほどほら)のコンセイサマへ行ってみました。
なかなかに険しい山の道をずんずんと登っていくのですが、赤い鳥居が途中にあるのが印象的です。
道を登ったところに、小さな祠があり、そこに山崎のコンセイサマと比べるとスモールサイズのコンセイサマがたくさん並んでいました。
その帰り道です。ちょうど日が落ちてきて、美しいところを、わたしの背後を歩いていた友人が写真で撮ってくれました。
ん? この写真……。
コンセイサマの御真影が写りこんでないか?! (笑)
コンセイサマの心霊写真ならぬ、神霊写真? (笑)
いえいえ、おそらくコンセイサマがお参りにきた、わたしたちに精気を与えてくれたのでしょう。
それから三日間、わたしは夜に眠っているあいだじゅう、エッチをしまくる夢を見続けました。
なるほど、これがコンセイサマの本領か!と、つくづく思い知ったものです。
昔の新婚さんがコンセイサマにお参りして、温泉に泊まるというのは、理にかなっているのでしょう。
民間信仰、なかなか侮れません!!