思わずジャケ買いした絵本のご紹介です。表紙のぱぐの可愛さに一目惚れ。潤んだ瞳にみつめられて『ぼく、ぱぐ』と挨拶されました。
やーん可愛い!
ぱぐっていうのは、この絵本の主人公のわんこです。黒い毛並みに、まあるい潤んだ瞳が特徴の可愛いパグ犬です。
これは間違いなく、癒し系の絵本。わんこと暮らしている人や大切なわんこを亡くした人にとっても、たまらない一冊だと思います。
わんこのぱぐの表情に、胸がキュンキュンします。かなざわまゆこさんの描く、ぱぐの表情やしぐさが、可愛くて、ほんわかした温かい気持ちに。わんこのぱぐを見るたびに、顔がどうしたってほころんでしまいます。絵が素晴らしく上手いので、お部屋に飾る絵本としても素敵です。
絵はもちろんのこと、お話の内容にもウルウル。文章が少ないのですが、数少ない言葉に、感情が揺さぶられます。
わんこのぱぐが、欲しくてたまらないものを探してまわるお話です。みんなは持っているのに、ぱぐは持っていないもの。みんなが持っている素敵なものが、ぱぐも欲しくなります。
ぼくのは?ぼくのはどこ?
探しても、探しても、なかなかみつかりません。
それどころか、怖い思いをしたり、ガッカリしたりの連続。ページをめくるたびに、ぱぐと自分が重なっていきます。ぱぐが遭遇する出来事に、気づいたら一緒に一喜一憂しています。
欲しいものが、みつからない寂しさ。みんなは持っているのに、自分は持っていないもの。
いいなー、わたしもああいうのが欲しいなー。あれがあれば、幸せになれるのになー。どこに行けばみつかるのかなと探しているもの。
ぱぐを通して、自分のなかにあるせつない思いが溢れてきます。心がザワッとするでしょう。ちょっとしたぱぐの目の動きや後ろ姿も、見逃さないでほしい。ぱぐの声が聴こえてきそうです。
わんこのぱぐが、最後になにをみつけるのか。欲しがっていたものは、手に入れることができるのか。ぱぐが、本当に欲しかったものは、いったいなんだったのだろう。最後の場面では、まちがいなく胸が熱くなることでしょう。
いつも頑張っている大人にぜひ読んでもらいたい絵本。もちろんお子さんと一緒に読むのも、贈りものにも、おすすめの一冊です。